研究課題/領域番号 |
19K21055
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補助金の研究課題番号 |
18H05874 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0204:天文学、地球惑星科学およびその関連分野
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
尾崎 和海 東邦大学, 理学部, 講師 (10644411)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 原生代 / 大気中酸素濃度 / 大気中メタン濃度 / 大気中二酸化炭素濃度 / 生物地球化学 / 物質循環 / 数値モデル / 二酸化炭素 / 酸素 / 生物地球科学 / 大気組成 / 生物地球化学循環 / 地球システムモデル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究計画では、原生代の大気組成(酸素(O2)、二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4))を制約し、それらを規定する物質循環についての理解を得るための基礎的研究を行う.具体的には、研究代表者が開発を行ってきた海洋物質循環モデル(CANOPS カノープス)を大気化学や陸域風化作用を考慮した地球システムモデルへと高度化し、地質記録を制約条件とした統計的手法を適用することで、原生代と呼ばれる地質時代(約25~6億年前)の地球大気組成の進化を物質循環に基づいた理論的見地から解明することを目指すものである.
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研究成果の概要 |
地球表層圏での主要生元素(炭素、窒素、リン、硫黄、酸素)の物質循環を包括的に考慮した数値モデルを開発し、地質記録を制約条件とした大規模数値実験を実施することで、原生代中期(約18億年前から8億年前)の大気組成と物質循環を推定した.その結果、当時の海洋が必須栄養素であるリンに枯渇しており、海洋生態系の一次生産が現在に比べて著しく抑制されていたことが明らかになった.この研究成果は、当時の地球大気が貧酸素条件にあった原因を初めて定量的に示したものである.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
原生代中期の時代は、真核生物の進化や放散、およびその後の動物の出現に重要な意味を持つ時代である.当時の海洋が必須栄養塩であるリンに枯渇し、生態系活動レベルが著しく抑制されていたとの知見は、生命と地球環境の共進化を理解する上での重要な発見である.地質時代の表層環境推定は主に地質学的・地球化学的分析データに基づいて行われてきたが、本研究により、大気組成及びそれを規定する物質循環の制約という未解明の問題に対して数値モデルを用いた新しい研究アプローチの基盤が確立できたという点で、その学術的意義が大きい.
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