研究課題/領域番号 |
19K21091
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補助金の研究課題番号 |
18H05922 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0303:土木工学、社会システム工学、安全工学、防災工学およびその関連分野
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研究機関 | 創価大学 |
研究代表者 |
岸 正敏 創価大学, プランクトン工学研究所, 助教 (00824020)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | メタン発酵 / 消化液 / 清澄化 / 後段利用 / 微細藻類 / 適正技術 / 循環型社会 / メタン発酵消化液 / 有価物生産 / バイオ炭 / 緩速ろ過 / 好気性生物処理 |
研究開始時の研究の概要 |
メタン発酵消化液を用いた微細藻類の培養は、汚水処理の経済性を向上させる重要な技術であるが、消化液が含む微生物・重金属などの汚染物質が、幅広い藻類生産への実用化を妨げている。様々な余剰バイオマスから生成可能なバイオ炭は、消化液のろ過処理に用いることで微生物などの汚染を除去し、栄養塩を残存させたまま消化液を清澄化できる可能性がある。本研究ではバイオ炭の選定とろ過速度の最適化を通して、消化液の汚染物質(微生物・重金属)選択的除去と栄養バランス(窒素・リン・ミネラル)の改善を目指す。
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研究成果の概要 |
邪魔者であったメタン発酵消化液を化粧品・健康食品原料などの高価値な微細藻類の生産に利用できれば、有機ゴミからエネルギーと有価物を作り出す循環プロセスの重要な収入源となる。しかし消化液には栄養以外にも固形物や病原菌などの夾雑物が存在し、そのままでは高価値な微細藻類の培養に利用できない。栄養塩を残したまま夾雑物を選択的に除去する手法が必要となる。そこで本研究では途上国でも継続して実施できる「適正技術」を組み合わせた消化液処理技術の開発を目指した。その結果、活性汚泥法、砂ろ過、およびバイオ炭ろ過の組み合わせで栄養塩を残存させたまま固形物90%除去、有色物質70%除去、病原菌最大99%除去を達成した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでのメタン発酵消化液の処理はほとんどが放流を最終目的として栄養塩除去を主眼としていた。本研究のように後段での有効利用、特に高価値微細藻類の培養を目的とした選択的な清澄化の研究は少なく、今後の発展が期待される分野である。本研究では途上国でも持続的に利用可能な適正技術の開発に注力した。膜ろ過のように高コストかつ途上国での調達が困難な手法ではなく、容易に実施可能な活性汚泥法・砂ろ過・バイオ炭ろ過に着目し、その結果高い清澄化効果を得た。本研究がさらに発展すれば途上国のみならず各国の循環型社会構築に貢献し、SDGsのうち、1 貧困をなくそう、6 安全な水、12 持続可能な消費、等の達成に寄与する。
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