研究課題/領域番号 |
19K21104
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補助金の研究課題番号 |
18H05938 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0401:材料工学、化学工学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
濱井 瞭 東北大学, 歯学研究科, 助教 (00824004)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 人工骨補填材 / 表面化学修飾 / リン酸八カルシウム / グリコサミノグリカン / タンパク質 / コンドロイチン硫酸 / 溶解度 / リン酸カルシウム / 骨形成タンパク質 / 骨芽細胞分化 |
研究開始時の研究の概要 |
これまでにリン酸カルシウム(CaP)系骨修復材料の骨再生能を向上させるため,骨形成タンパク質(BMP)の生体への徐放による骨芽細胞の活性化が検討されてきた。一方で,生体内においては,骨組織を構成するアパタイトに親和性を示す多糖であるグリコサミノグリカン(GAG)がBMPの保持を担うことが示唆されている。しかし,GAG結合BMP(GAG-BMP)のうち,骨組織に固定化されたものと放出されるもののどちらが,骨形成に寄与しているかは不明である。本研究は,CaP表面に固定したGAG-BMPと表面から徐放されるGAG-BMPモデルを構築し,どちらが骨芽細胞の活性化(分化)に有効か解明するものである。
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研究成果の概要 |
本研究では,リン酸八カルシウム(OCP)表面からの骨形成タンパク質/グリコサミノグリカン(GAG)複合体の空間分布と細胞による骨形成挙動の関係を系統的に解明するためのモデルの構築条件を検討した。GAGにはコンドロイチン硫酸,BMPにはモデルタンパク質を用いて研究を実施した。その結果,OCPに修飾したアミノ基とコンドロイチン硫酸間の結合強度を制御することで,表面からのモデルタンパク質/GAGの溶出挙動を調節できることが示唆された。得られた知見を基に確立したモデルにより,骨組織のGAG を介したBMP保持や未分化細胞の活性化機構を模倣し,高い骨再生能を示す骨修復材料の創成に寄与できると期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
骨組織に含まれる多糖類であるグリコサミノグリカンと骨形成に寄与するタンパク質(BMP)の親和性に着目し,それらの複合体とリン酸八カルシウム(OCP)表面との化学結合の強さが異なる表面モデルを構築する条件を見出した。OCPは,骨補填材(人工骨)として応用されている材料である。本モデルを用いることで,骨修復材料の表面から周囲にかけてのBMPと複合化したグリコサミノグリカンの存在量の密度が骨組織を形成する細胞の活性化に及ぼす影響の解明に寄与できると考えられる。これにより,骨再生能の向上に最適な方法でBMPのみならず,関連組織の再生を促すタンパク質を担持した骨補填材開発への応用を拓くものである。
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