研究課題/領域番号 |
19K21110
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補助金の研究課題番号 |
18H05951 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0402:ナノマイクロ科学、応用物理物性、応用物理工学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
後藤 和泰 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (40821690)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ナノ構造 / 保護膜 / 電子材料 / シリコン / シリコン表面 / 光電子工学 / 太陽電池 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、酸化シリコン中のシリコンナノドットをキャリア輸送経路とした新規保護膜の開発を目指す。申請者は、キャリア輸送経路としてシリコン酸化膜中のシリコンナノドットを応用することに着目した。申請者の研究グループでは、シリコン酸化膜中にシリコンナノドットを形成する技術を有しており、シリコンナノドットのサイズなどの構造制御が可能である。本研究では、シリコン酸化膜中にシリコンナノドットを形成し、形成時のパラメータと構造及び電気的特性の相関を調査する。本研究により、本来絶縁性の保護膜であるシリコン酸化膜にキャリア輸送経路を形成して制御を行い、新規導電性保護膜の基盤を構築することが期待できる。
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研究成果の概要 |
本研究は、酸化シリコン中のシリコンナノ結晶をキャリア輸送経路とした新規導電性保護膜の開発を目指して実施された。試料は、シリコンリッチのアモルファス酸化シリコンを酸素リッチのアモルファス酸化シリコンで挟み込む順番でシリコン基板上に3層構造を製膜し、熱処理を行うことにより酸化シリコン中にシリコンのナノ結晶を形成した。 酸素リッチのアモルファス酸化シリコンを採用することにより、酸化シリコン中にシリコンのナノ結晶が形成し、保護性能を示すことを確認した。さらに、酸化シリコン中のシリコンナノ結晶が電気伝導を担っていることを示唆し、保護性能と電気伝導を両立する導電性保護膜の開発が期待できる結果が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
シリコンは、現在の社会を成り立たせる材料の一つである。シリコン表面に対する良好な保護性能を示す保護膜は、通常絶縁性の材料であり電気伝導との両立が困難である。本研究では、良好な保護特性と電気伝導性を両立する導電性保護膜の開発を志向した。その結果、シリコン酸化膜中のナノ結晶シリコンの比率が大きくなるほど、保護性能が低下する一方、電気伝導が向上する結果を得た。このことは、保護性能と電気伝導を制御することが可能となることを意味している。開発した導電性保護膜は、太陽電池への応用だけでなく、シリコン基板と様々な材料との接合材として利用するなどの展開が可能であり、高い社会的意義が期待できる成果が得られた。
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