研究課題/領域番号 |
19K21132
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補助金の研究課題番号 |
18H05986 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0501:物理化学、機能物性化学、有機化学、高分子、有機材料、生体分子化学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
齋藤 滉一郎 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 研究員 (00828296)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 光応答性有機材料 / アゾベンゼン / 移動現象 / 走光性 / 有機結晶 / 物質輸送 / ナノ材料集積技術 / ナノ材料 / 集積技術 |
研究開始時の研究の概要 |
異種原子層材料を積層した複合原子層は単層では得られなかった特性を示すようになるため、近年大きな注目を集めている。また、光捕集効果を持つ金属ナノ粒子と組み合わせた構造体の場合は強い非線形光学効果を生じる。そのため、原子層材料、ナノ粒子といった種々のナノ材料の集積化は様々な微小光電素子の開発、発展に大きく寄与することが期待される。しかし、現在までのところ、集積技術そのものは十分に発達していない。これは基板上の特定位置にナノ材料を配置し、積み重ねていくのが困難なためである。そこで本研究では、光誘起移動を示す有機結晶をナノ材料の運搬に利用することを提案し、簡便なナノ材料集積技術の創製を試みる。
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研究成果の概要 |
アミノアゾベンゼン化合物の結晶が、可視光を斜めから照射することで光源から逃げるような負の走光性を示すことを新規に見出した。紫外から近赤外光を含む擬似太陽光源からの白色光でも移動が誘起された。結晶に蛍光性量子ドットを混ぜ込み、光照射によって結晶と一緒にガラス表面上を移動させることにも成功し、ナノ材料運搬が可能であることを示した。運搬後の結晶をメタノール等の溶剤で除去することで、運搬されたナノ材料のみを基板上に残すことも可能となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
結晶が固体表面上を光刺激によって移動する光誘起移動現象について、単一光源からの可視光照射のみで実現できる化合物を見出した。単純な低分子化合物でも光刺激に応答して生物のような走光性を実現できることが実証された点で大きな学術的意義があり、ソフトマテリアル、マイクロモーター、マイクロ流体システム等の発展にも寄与すると期待される。さらに、移動現象を利用したナノ材料運搬にも成功し、新規ナノ材料集積技術への応用可能性を示した。
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