研究課題/領域番号 |
19K21140
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補助金の研究課題番号 |
18H05996 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0601:農芸化学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
齋藤 俊也 東北大学, 工学研究科, 学術研究員 (00825226)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | イオンチャネル / 植物 / リン酸化酵素 / 膜タンパク質 / 電気生理学 |
研究開始時の研究の概要 |
植物の塩・乾燥ストレス耐性の発現や栄養源のバランス確保は、根・篩管・気孔の各種イオン輸送体により担われている。輸送体の調節因子の1つであるCa+センサータンパク質CBL5は、植物の環境適応能力発現における重要性が示唆されているものの、具体的な機能は解明されていない。本研究では、篩管のNa+輸送体HKT1および根のNO3-輸送体SLAH2・SLAH3を候補として、CBL5の機能と役割の解明をめざす。各輸送体についてCBL5とその補因子CIPKによる活性調節の有無を電気生理測定により調べる。さらにcbl5遺伝子欠損植物を用いて植物体におけるCBL5の機能を解明する。
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研究成果の概要 |
本研究ではCBL5の機能を見出すため,下記の2つの実験を行った。 ①動物細胞に陰イオンチャネルSLAC1・CBL5・CIPK11キナーゼを共発現させLC-MS/MSによりリン酸化を検出した。その結果CBL5-CIPK11はSLAC1の既知リン酸化サイト(S59, S120)とは異なる部位に特異的なリン酸化ターゲットを持つことが示唆された。 ②cbl1, 5, 9三重遺伝子欠損植物の表現型を観察したところ,野生株と比較して気孔の応答に変化が見られた。これはcbl1, 9二重欠損株やcbl5単一欠損株では見られなかったため,CBL5がCBL1・CBL9と共に気孔開度調節に寄与していることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
CBL5は植物の塩・乾燥耐性において重要なタンパク質とされつつもその機能が明らかになっていなかった。本研究により,その機能の一端を解明することに成功した。これにより植物の環境ストレス耐性応答の複雑な分子機構や、カルシウムイオンが関わる生体内分子シグナリングの全貌解明に一歩近づくことができた。また、塩害・乾燥地域でも生育できるような環境ストレス耐性強化作物創成へ向けた指針がまた一つ得られたと言える。
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