研究課題/領域番号 |
19K21141
|
補助金の研究課題番号 |
18H05997 (2018)
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0601:農芸化学およびその関連分野
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
工藤 雄大 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 助教 (60824662)
|
研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
|
配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | テトロドトキシン / 生合成 / 構造解析 / LC-MS / イモリ / 電位依存性ナトリウムチャネル / 生理活性 / グアニジン |
研究開始時の研究の概要 |
フグ毒テトロドトキシン (TTX) は、複雑な化学構造、海洋(フグなど)と陸上(イモリなど)に分布する興味深い毒である。長年研究対象とされてきたが、毒の生産者は曖昧で、自然界でどの様につくられるか(生合成)は不明である。本研究の目的は、陸上におけるTTXの起源、および生合成の解明の手掛かりを得ることである。TTXを含有する有毒イモリとその生育環境を対象として、化学分析およびメタゲノム解析を行う。化学分析ではイモリの毒の起源であるTTX含有生物を探索し、同時に、TTXの生合成に関わる新規成分の同定を目指す。環境中の微生物の遺伝子を解析できるメタゲノム解析にて、TTXの生合成遺伝子の同定を目指す。
|
研究成果の概要 |
テトロドトキシン(TTX)の生合成経路の知見を得るために、新たなTTX関連化合物を探索した。有毒イモリから新規TTX類縁体としてTTXの8位エピマー(8-epiTTX)と新規環状グアニジノ化合物Cep-226Aなどを発見した。いずれもこれまで推測してきた生合成経路を支持する化学構造を有しており、陸上におけるTTXの生合成経路、シャント経路についてより知見を深めることができた。また、培養細胞を用いて8-epiTTXと他のTTX類縁体の電位依存性ナトリウムチャネル阻害活性を評価し、エクアトリアル配置の8位ヒドロキシ基が生理活性に大きく寄与することを先行研究と一致する形で示した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
テトロドトキシン (TTX) は、強力な毒性と複雑な分子構造を持ち、海洋と陸上の様々な生物に分布する興味深い神経毒であり、食中毒原因物質として重要である。長年研究対象となる一方で、自然界でどのようにTTXが生産されるか(生合成経路)は未解明であり、その解明には学術的・社会的な意義がある。本研究では有毒イモリより新規化合物を複数発見し、陸上におけるTTXの生合成経路への知見を深めることができた。新規化合物の生理活性試験により、TTXと電位依存性ナトリウムチャネルとの相互作用について理解を深めることができた。
|