研究課題/領域番号 |
19K21149
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補助金の研究課題番号 |
18H06009 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0602:生産環境農学およびその関連分野
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
渋谷 知暉 島根大学, 学術研究院農生命科学系, 助教 (60818219)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | カキ / 果実 / カロテノイド生合成 / 光応答 / カロテノイド合成 / カロテノイド |
研究開始時の研究の概要 |
果実の着色の程度は、果実品質を判断する上での重要な指標として消費者に認知されている。また可食部のカロテノイド含量は食品機能性の面でも重要である。カキやトマトの果実はカロテノイド系の色素により橙色や赤色を示すが、特にカキにおいては着色の促進に光が重要な役割を果たすと考えられている。植物の光受容体には、紫外線や青色光を吸収するものと赤色光や遠赤色光を吸収するものとに大別され、それぞれ異なるシグナル経路で植物の成育や代謝を調節している。カキのカロテノイド合成を促進あるいは抑制する光の波長やそのメカニズムを明らかにすることは、カキの効率的な着色促進方法や着色しやすいカキ品種の開発につながる。
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研究成果の概要 |
カキ果実におけるカロテノイドの蓄積による着色に光が及ぼす影響について検討を行った。植物の光応答においては、青色光・赤色光・遠赤色光が主なシグナルを担うことが知られている。カキのカロテノイド蓄積と着色においては赤色光による促進が見られたが、青色光や遠赤色光は顕著な着色およびカロテノイド蓄積の促進を示さなかった。カキにおいては赤色光がゼアキサンチンやβクリプトキサンチンの蓄積を促進することで着色が促進されることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
カキ果実の着色は、市場価値に影響を与える重要な要因であり、着色の主要因であるカロテノイドの蓄積に影響する重要な環境要因として気温の影響が研究されてきた。一方、光もまたカキの着色において重要な役割を果たすことが知られているものの、着色を促進している光の波長や光による着色促進のメカニズムは知られていなかった。本研究成果により、赤色光がカキの着色とカロテノイド蓄積に重要な役割を果たしていることが明らかになった。この成果は、LEDなどの省エネ光源を利用したカキの着色促進やカロテノイド含量の増加による食品機能性の向上に展開できると考えられる。
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