研究課題/領域番号 |
19K21151
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補助金の研究課題番号 |
18H06011 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0602:生産環境農学およびその関連分野
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
山崎 由理 東京農業大学, 地域環境科学部, 助教 (00826696)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 林間放牧 / 河川水質 / 環境保全型農業 / 窒素循環 / 全窒素濃度 / 行動調査 / 森林生態系 / 水環境 / 生態系サービス |
研究開始時の研究の概要 |
北海道日高振興局管内において,肉牛の林間放牧による環境への影響を調査する。林間放牧では,シカなどの大型野生動物による森林生態系への被害と類似した負の影響が予想される一方で,放牧牛による適度な攪乱が森林の生態系サービスをサポート・促進する正の影響をもつ可能性も考えられる。この研究では,放牧地の水質調査による水環境への影響を検証する。また,カメラトラップによる放牧牛の行動観察および放牧地内の野生動物の観測,ドローンを用いた植生評価から,放牧により維持されている草地の森林生態系への影響や存在意義を調査する。
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研究成果の概要 |
北海道様似郡様似町を流下する様似川本川および支川で採水および流量観測を実施した。放牧地に位置する支川では,本川と比較すると窒素濃度の上昇がみられた。放牧地内を流下する支川の窒素濃度は上昇傾向にあるものの,放牧地より下流に位置する本川は低濃度であり,林間放牧による様似川本川への影響はそれほど大きくはないことが明らかとなった。つぎに,林間放牧地内に14台のセンサーカメラを設置し,放牧牛の行動を調査した。放牧地が開放される4月~10月の間,放牧牛は1か月程度で放牧地間の移動を繰り返しており,家畜糞尿の過度な蓄積を防ぎ放牧地内での窒素循環を促している可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
森林を使用して家畜を放牧する林間放牧は環境保全型農業として注目されている一方,林間放牧による環境への影響に関する報告は少ない。本研究では,林間放牧がおこなわれている地域において河川の水質調査を行い,放牧地付近では河川水中の窒素濃度がわずかに上昇傾向にあった。しかし,放牧牛は一定期間で林間放牧地内の移動を繰り返すことで,放牧地への家畜糞尿の過剰な蓄積や流出を抑制している可能性が示唆された。
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