研究課題/領域番号 |
19K21155
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補助金の研究課題番号 |
18H06015 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0603:森林圏科学、水圏応用科学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
山木 将悟 北海道大学, 水産科学研究院, 助教 (20824337)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | バクテリオファージ / 食品衛生 / 食品微生物 / 微生物制御 / 大腸菌 / サルモネラ / 腸管出血性大腸菌 / 食中毒 |
研究開始時の研究の概要 |
腸管出血性大腸菌やサルモネラによる食中毒は世界中で頻発しており,大きな問題となっている。これらの食中毒細菌による食中毒事例は国内でも後を絶たない。特に,加熱を行わない非加熱食品では,腸管出血性大腸菌やサルモネラによる食中毒リスクが高く,有効な制御方法の開発が常に求められてきた。本研究では,細菌に感染し殺菌するウイルスであるバクテリオファージを用いて,これらの食中毒細菌の殺菌法について研究する。使用するファージは通常のファージよりも宿主域が広いという特徴がある。本ファージの感染メカニズムを解明し,食品での殺菌効果を検証することにより,ファージによる微生物制御技術の発展を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では,大腸菌(Escherichia coli)やサルモネラ(Salmonella enterica)などの複数種の細菌に感染する広宿主域バクテリオファージEscoHU1の性状と食品への応用の可能性について検討した。EscoHU1は頭部と尾部から構成され,柔軟な長い尾部を持つSiphoviridae科に属することが明らかとなった。牛肉および牛乳を用いた試験では,EscoHU1はE. coliの生菌数を減少させたが,S. Typhimuriumの生菌数は減少しなかった。したがって, EscoHU1は食品中のE. coli制御するために有効なファージであることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
食品の安全・安心は人々の健康を根底から支え,食品に求められる重要な要素のひとつである。特に,腸管出血性大腸菌やサルモネラによる食中毒は世界で問題となり,効果的な対策が常に求められてきた。本研究で用いたバクテリオファージ(ファージ)は細菌に特異的に感染するウイルスであり,既に欧米の一部では食品にファージを利用することが認可されている。研究に使用したファージEscoHU1は腸管出血性大腸菌とサルモネラの両方に感染し,特に食品を利用した試験では腸管出血性大腸菌の生菌数を効果的に減少させた。今後,両細菌を食品より殺菌するためにEscoHU1の利用が有効な手法となることが期待される。
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