研究課題/領域番号 |
19K21169
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補助金の研究課題番号 |
18H06032 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0605:獣医学、畜産学およびその関連分野
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研究機関 | 秋田県立大学 |
研究代表者 |
伊藤 謙 秋田県立大学, 生物資源科学部, 助教 (30818604)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 腸上皮細胞 / パネート細胞 / Wntシグナル / ニワトリ / 腸管 / 筋線維芽細胞 / 腸管上皮細胞 / 腸管オルガノイド / 成長因子 |
研究開始時の研究の概要 |
パネート細胞はWnt3a等の成長因子を分泌し、腸管上皮細胞を構成する際に重要な役割を果たしている。これまでニワトリはパネート細胞を持たない動物として知られていたが、先行研究から肉養鶏にパネート細胞が存在し、Wnt3a分泌の可能性が示唆されている。しかし、これまでの申請者の研究から、採卵鶏の腸管ではWnt3aの発現が行われていないことが明らかとなり、肉用鶏と採卵鶏ではパネート細胞の機能や分泌される成長因子の種類が異なる可能性が示唆された。本研究では、鶏におけるパネート細胞探索またはそれに代替する機能の解明を行うことを目的として研究を遂行する。
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研究成果の概要 |
ニワトリの腸管ではWnt3とWnt3aが発現が認められず、マウスのパネート細胞で確認されているMmp7、CD24、EphB3、Lysozymeの発現が認められたことから、ニワトリのパネート細胞はWnt3の分泌を行っていない可能性が示唆された。また、Wnt3の代替のWntとしてWnt2bに着目し、細胞の局在を調査したところ、マウスでは筋線維芽細胞からWnt2bが分泌されるところ、ニワトリではパネート細胞以外の腸上皮細胞から分泌される可能性が示唆された。肉用鶏と採卵鶏の間にWntシグナル制御の違いは認められなかったが、マウスとは違う機構の存在が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腸管上皮細胞の研究では、腸陰窩(クリプト)に存在するパネート細胞が着目されている。パネート細胞は抗菌物質であるLysozymeや、成長因子であるWnt3aやEGFを分泌し、Lgr5陽性細胞を保護すると同時に細胞周期を調整する。さらに栄養状態とパネート細胞の関連が明らかとなっている。パネート細胞が摂取した食物のカロリーを感知し、幹細胞の増殖や分化を制御することが明らかとなっている。これまでニワトリはパネート細胞を持たない動物として挙げられていたが、近年ニワトリでもパネート細胞が存在することが報告されている。ニワトリでも栄養状態とパネート細胞の機能を明らかにすることで、生産性の向上が可能となる。
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