研究課題/領域番号 |
19K21171
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補助金の研究課題番号 |
18H06034 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0605:獣医学、畜産学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 (2019) 麻布大学 (2018) |
研究代表者 |
水上 圭二郎 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, 研究員 (20727721)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 細菌叢解析 / 加齢性変化 / 腸内細菌 / ゲノムワイド関連解析 / イヌ / 感染遺伝学 / 獣医遺伝学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、『イヌの細菌叢に影響を与える宿主の遺伝子を解明し、細菌叢変化と疾患の因果関係解明に繋がる基礎データを作成すること』を目的とした研究である。 生体の細菌叢(細菌の群集)の構成の異常は宿主の様々な疾患と関連している。しかし、細菌叢は疾患によって変化する一方、細菌叢の変化が疾患を引き起こすこともあるため、細菌叢変化と疾患発症の因果関係の解釈は容易ではない。 近年の研究により細菌叢は宿主の遺伝子によっても変化することが知られており、宿主の遺伝子情報がこの因果関係解明の鍵となることが期待されている。本研究では、純血種犬の遺伝子と細菌叢を解析することで、細菌叢に影響を与える新規遺伝子と同定する。
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研究成果の概要 |
本研究は、純血種犬の細菌叢解析を行い、細菌叢に関する宿主のゲノム領域を同定することを目的とした研究である。 最初に我々は、同一環境下で飼育されている柴犬53頭の直腸便を用いて、一般性質に関する細菌叢の特徴を分析した。その結果、腸内細菌叢が加齢に伴い変化することを同定した。 次に、その性質を用いて、宿主の遺伝的特徴と腸内および口腔細菌叢の関連性をゲノムワイド関連解析によって調べた。その結果、複数の細菌において関連性が示唆されるゲノム領域が検出された。今後、再現実験や機能性研究によりこれらの関連性の有無をより明確にする必要がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生体の細菌叢は様々な疾患と関係しており、その重要性が益々注目されている。近年、細菌叢構成の変化に宿主の遺伝的素因も影響することが報告され、より正確な細菌叢の解釈には遺伝的背景が重要であると考えられている。 今回我々は、同一環境下の純血種犬の特性を利用し、少数検体を用いて細菌叢の特徴とそれに関連する遺伝的特徴の同定を試みた。その成果の一つとしてイヌの腸内細菌叢が年齢により変化すること明らかにし、細菌叢研究における年齢情報の重要性を確認した。さらに、特定の細菌の量と関連する宿主のゲノム領域を同定したため、これらの細菌や領域の詳細な解析によって、今後の細菌叢研究に有益な知見が得ることが可能となった。
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