研究課題/領域番号 |
19K21172
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補助金の研究課題番号 |
18H06037 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0605:獣医学、畜産学およびその関連分野
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研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
中村 翔 岡山理科大学, 獣医学部, 助教 (50829223)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 発情行動 / ロードシス / GnRH / キスペプチン / 発情 / Kisspeptin / 性腺刺激ホルモン放出ホルモン / c-Fos |
研究開始時の研究の概要 |
視床下部に局在する性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)ニューロンは、雌では発情期に下垂体からのホルモン分泌を促し排卵を誘起すると同時に、雄を受入れる発情行動の発現にも関与すると考えられている。しかし、GnRHという同一のペプチドが内分泌と発情行動という異なる生理現象を協調的に調節する機構については不明である。本研究では、性腺刺激ホルモン分泌を調節するGnRHニューロン群と発情行動の発現に関与するGnRHニューロン群が、それぞれ別の制御系によりコントロールされているとの仮説を立て、GnRHニューロンを起点としたホルモン分泌調節機構と発情行動調節機構が協調的に機能するメカニズムを探る。
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研究成果の概要 |
本研究では、雌の発情行動の制御メカニズムを解明するため、発情行動後にc-FosおよびGnRHを免疫組織科学により染色し、活性化GnRHニューロンの割合を検討した。野生型ラットでは約70%のGnRHニューロンが活性化していたが、Kiss1 KOラットのGnRHニューロンは活性化していなかった。発情行動に関与するGnRHニューロンの活性化には、生殖内分泌系と同様にキスペプチンが関与することが示唆された。また、一連の研究を通じて発情行動発現時に活性化するニューロン群を視床下部および扁桃体に発見した。今後、当該ニューロンの発情行動へ及ぼす影響について明らかにしていく予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果により、発情行動を制御するGnRHニューロンの活性化にはキスペプチンが上位で制御することが示唆された。哺乳類の繁殖が成立するには、動物の生理状態に応じて生殖内分泌系と発情行動が協調的に制御されることが重要である。家畜の生産現場では、人工授精時の初回受胎率の低下が深刻な問題となっている。人工授精のタイミングは発情行動の発見によって決定されるため、発情行動の異常に起因する繁殖障害を解決するには、発情行動を制御する脳内メカニズムの解明が重要と考えられる。
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