研究課題/領域番号 |
19K21177
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補助金の研究課題番号 |
18H06044 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0701:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鯨井 智也 東京大学, 定量生命科学研究所, 助教 (70823566)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | クロマチン / DEK / 癌 / ヌクレオソーム / エピジェネティクス / クライオ電子顕微鏡 / X線結晶構造解析 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、クロマチン構成因子DEKによるクロマチン構造制御機構の解析を行う。DEKは、癌化やリウマチ関節炎に関与することが知られており、細胞核内に大量かつユビキタスに存在する因子であるにもかかわらず、クロマチンに及ぼす影響についてはほとんど不明である。本研究では、構造生物学的、生化学的手法を中心に、DEKとクロマチンの相互作用解析を行うことで、DEKによるクロマチン構造制御機構を解明する。さらに、DEKと他のクロマチン構造形成因子との比較を行うことで、真核生物におけるクロマチン構造形成の多様性の解明を試みる。
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研究成果の概要 |
遺伝情報の担体であるゲノムDNAは、クロマチン構造をとって細胞核内に収納されている。クロマチン構成因子であり、がん遺伝子であるDEKは、クロマチン構造に作用することで、転写、スプライシング、DNA修復などの多様な核内プロセスに関与し、クロマチンの恒常性を担保すると考えられている。そこで本研究では、DEKが形成するクロマチン構造を解明することを目的とし、DEK-クロマチン複合体を試験管内において再構成し、構造生物学的、生化学的解析を行った。研究の結果、DEK-クロマチン複合体の立体構造を決定し、DEKによる特徴的なクロマチン構造制御機構が明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
クロマチンは、多様な構造変化を介して転写や、複製、DNA修復などの広範な核内プロセスを制御することで、発生、老化、癌化などの複雑な生命現象を実現する。しかしながら、クロマチンがどのように構造変換されるのかについては未だ不明な点が多い。本研究では、クロマチンに結合するがん遺伝子DEKによるクロマチン制御機構の一端を解明した。本知見は、核内におけるクロマチン制御機構の知識を深化するものであり、多様な核内プロセスが調節されるメカニズムを考える一助となる。また、癌におけるDEKの作用機序と、癌に対する創薬への知見を提供する。
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