研究課題/領域番号 |
19K21191
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補助金の研究課題番号 |
18H06067 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0702:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
高田 奈月 (田中奈月) 名古屋大学, 高等研究院(農), 特任助教 (00824070)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | Caシグナル / 脂質シグナル / 情報変換分子 / カルシウム結合タンパク質 / ホスファチジルイノシトールリン酸 / カルシウムシグナル / シグナル伝達 / 細胞膜 / シグナル変換 / カルシウム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、主要な情報因子であるCa2+とPIPの相互情報変換を担うPCaP1タンパク質の生理的作用機構を明らかにし、植物における新たな環境応答機構の解明と提案を目指す。機能欠損株および相互作用機能をもつN末端部分(ドミナントネガティブ)の過剰発現株を作製し、水・光・栄養・温度ストレス環境下での表現型を分析する。さらに、変異株におけるCa2+、PIP、細胞骨格の動態を野生株と比較し、PCaP1とこれら因子との共局在性を解析し、PCaP1の遺伝子発現の組織特異性、細胞内局在の変化も観察する。本研究を通して植物の発生・分化、ストレス応答におけるPCaP1の生理機能と情報伝達機構を解明する。
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研究成果の概要 |
PCaPは、Caシグナルを脂質シグナルに変換する唯一の分子であり、所属研究室で見出され申請者が解析を進めてきた。本研究は、細胞内情報伝達の重要なハブ分子PCaPの生化学的作動機構と生理的役割を解析することを目的としている。 方法として、シロイヌナズナとゼニゴケを用いたPCaP欠損株と過剰発現株の解析、大腸菌で合成したゼニゴケPCaPタンパク質の精製と生化学的特性の解析を行なった。シロイヌナズナの欠損株の解析では、PCaPが根の水分屈性に関与していることを解明した。植物の原始型で遺伝子数の少ないゼニゴケの利点を生かした研究も開始し、過剰発現株や遺伝子欠損株の形態と生育の異常を発見した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞膜に結合しているタンパク質PCaPは、Caシグナルを脂質シグナルに変換する唯一の分子であると想定される。細胞内情報伝達の重要なハブ分子であるPCaPの生化学的作動機構と生理的役割を明らかにすることで、Caシグナルの巾の広さと特異性を支える新たな仕組を解明することができる。 申請者は、PCaPがシロイヌナズナでは根の水分屈性および葉の気孔閉口に関与していることを明らかにし、植物の環境適応に重要な分子であることを明らかにした。 また、PCaPはほとんど全ての植物に保存されている重要な遺伝子であり、植物進化の基部に位置するゼニゴケにおいても不可欠な機能を果してるタンパク質であるとの知見を得た。
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