研究課題/領域番号 |
19K21196
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補助金の研究課題番号 |
18H06073 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0702:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 麻布大学 |
研究代表者 |
前澤 創 麻布大学, 獣医学部, 講師 (90548174)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 生殖細胞 / エピジェネティクス / クロマチン / エンハンサー / 精子形成 / A-MYB / 減数分裂 / エピゲノム / RNA-seq / ATAC-seq |
研究開始時の研究の概要 |
生殖細胞は生命の連続性を担う。生殖細胞が減数分裂期へ移行し進行する際には、大規模な遺伝子発現変化が伴うが、その分子機構には不明な点が多い。本研究では、精子形成期の減数分裂期移行に生じるエピゲノム変化やクロマチン構造変化を明らかにすることによって、減数分裂の開始・進行の分子機構を解明する。主な手法として、減数分裂期の対象のステージの生殖細胞を単離し、エピゲノムやクロマチン構造変化を、次世代シーケンサーを用いてゲノムワイドに、さらに細胞イメージング解析によって視覚的に解析する。また、モデル動物としてマウス及びブタを用いて比較解析を行うことにより、生物種特異的な制御機構に迫る。
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研究成果の概要 |
精子形成期において、生殖細胞が分化し減数分裂期へ移行する際には、体細胞型の遺伝子発現プロファイルから生殖細胞特有の遺伝子発現プロファイルへと切り替わる。本研究では、マウス精子形成期をモデルに、生殖細胞特異的なエピゲノム変化及びクロマチン構造変化の解明を目的とした。クロマチンの開閉状態は、減数分裂期の前後においてプロモーター領域よりも遺伝子間領域で大きく変化しており、エンハンサーの活性化状態が変化していることが示唆された。活性化エンハンサーをゲノムワイドに解析した結果、生殖細胞特異的なスーパーエンハンサーを同定し、さらに、生殖細胞特異的転写因子A-MYBが、その形成に機能することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では生殖細胞特異的な遺伝子発現を制御する活性化エンハンサーの動態を解明した。また、本研究によって新規に同定されたスーパーエンハンサーによって、精子形成期後期の分化進行に重要な遺伝子が制御されていることを見出した。さらに、A-MYB依存的なスーパーエンハンサーの形成機構を明らかにした。A-MYB依存的な生殖細胞特異的遺伝子発現は鳥類の精巣においても認められており、本研究で見出された分子機構は、進化的に保存された重要な精子形成遺伝子発現機構であると考えられる。本研究成果は、生体外での生殖細胞分化を制御する発生工学への応用や、ヒトの生殖医療の改善に役立つことが期待される。
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