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被子植物における新規の送粉シンドロームに関する進化、生態学研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K21198
補助金の研究課題番号 18H06075 (2018)
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分基金 (2019)
補助金 (2018)
審査区分 0703:個体レベルから集団レベルの生物学と人類学およびその関連分野
研究機関東京大学

研究代表者

望月 昂  東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (80822775)

研究期間 (年度) 2018-08-24 – 2020-03-31
研究課題ステータス 完了 (2019年度)
配分額 *注記
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワード送粉シンドローム / キノコバエ / 花香 / 系統樹 / 収斂 / 送粉生態学 / シンドローム / 花のにおい / ガスクロマトグラフィー / 双翅目昆虫 / 送粉
研究開始時の研究の概要

被子植物の大多数は花粉運搬を動物に委ねており,系統の離れた植物にあっても,送粉者を共有する植物は色やにおい,形態など複数の類似した花形質:送粉シンドロームを持つ. 申請者による先行研究から,アオキをはじめとする,短い花糸を持ち皿状で暗赤色の5mm程度の花をつける5科の植物は,専らキノコバエ類に送粉されることが明らかになっており, 共有された花形質は送粉シンドロームであると予想されている. 本研究では, ニシキギ属植物をモデルとした送粉様式の進化過程の解明, および, 花のにおいの送粉者誘引における機能解明により, 被子植物における新規の送粉シンドロームのバイオロジーに関する統合的理解を得る.

研究成果の概要

本研究では、キノコバエに送粉される複数の植物が共有する、暗赤色の平たい花という特徴的な花形質が新しい送粉シンドロームではないかと仮説を立てた。少なくとも3種がキノコバエに送粉されるニシキギ属をモデルとし、キノコバエ媒の送粉様式の獲得に伴って花形質が進化するかどうかを検討した。
国内外に産する計12種の送粉者、花形質、花の匂いを明らかにした。それらを含む分子系統樹を用いて解析を行ったところ、キノコバエ媒と花形質の間には強い相関があることが明らかになった。本研究は、新しい送粉シンドロームを見出しただけでなく、花の匂い・花形態・色と送粉者のクリアな関係性を示した重要な例である。

研究成果の学術的意義や社会的意義

キノコバエは双翅目昆虫・ハエの一群であり、体長5mmほどと送粉者としては微小な昆虫であるものの、12科を超える植物がキノコバエに送粉される。チャルメルソウ属では、口吻の長いキノコバエに送粉される植物は筒状の花をもつことが示唆されていた。
本研究は、形態だけでなく、花の匂い、色と送粉者の関係性を示すことで、キノコバエが被子植物の花に特徴的進化をもたらす重要なグループであることを示した。ハナバチ媒やチョウ媒などこれまで長く知られてきた送粉シンドロームには新しいグループが存在すること、微小な送粉者に対してすらそれが起きることを示した本研究は、送粉生態学において大きなインパクトをもっている。

報告書

(3件)
  • 2019 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2018 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2020 2019 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件)

  • [国際共同研究] 國立臺灣大學/生態學與演化生物學研究所(その他の国・地域 (台湾))

    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
  • [雑誌論文] The diversity and evolution of pollination systems in large plant clades: Apocynaceae as a case study.2019

    • 著者名/発表者名
      Ollerton J et al. [75 authors in all]
    • 雑誌名

      Annals of Botany

      巻: 123 号: 2 ページ: 311-325

    • DOI

      10.1093/aob/mcy127

    • 関連する報告書
      2018 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] ニシキギ属における特異な花香とキノコバエ媒送粉シンドロームの進化2020

    • 著者名/発表者名
      望月昂, 川北篤, 岡本朋子, 王 俊能
    • 学会等名
      第67回 日本生態学会 名古屋大会
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
  • [学会発表] ニシキギ属における,キノコバエによる送粉の繰り返し進化とそれに伴う特異な花形質の収斂2019

    • 著者名/発表者名
      望月昂, 岡本 朋子, 王 俊能, 川北 篤.
    • 学会等名
      日本植物学会 第83回大会,
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
  • [学会発表] キノコバエ媒植物に見られる特異な送粉シンドローム2019

    • 著者名/発表者名
      望月昂
    • 学会等名
      日本植物分類学会第18回大会
    • 関連する報告書
      2018 実績報告書

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公開日: 2018-08-27   更新日: 2024-03-26  

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