研究課題/領域番号 |
19K21199
|
補助金の研究課題番号 |
18H06076 (2018)
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0703:個体レベルから集団レベルの生物学と人類学およびその関連分野
|
研究機関 | 北海道大学 (2019) 東京大学 (2018) |
研究代表者 |
林 達也 北海道大学, 情報科学研究院, 博士研究員 (80824755)
|
研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
|
配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 振動現象 / シオミズツボワムシ / 個体群動態 / 外れ値 / 数理モデル / 振動・同期現象 / 個体群変動 |
研究開始時の研究の概要 |
生物の振動・同期現象において,例外的な挙動を示す“外れ値”が普遍的に観測される.その外れ値の挙動の観察を通して,外れ値が何らかの形で系の維持・安定性に寄与するという仮説の下で,本研究では同期している集団の外れ値が系にもたらす効果を明らかにする.具体的には,シオミズツボワムシの個体数変動を対象に数理解析を行い,生活史が同期している集団に大きな撹乱が与えられたときの外れ値による緩衝作用,すなわち個体数の維持や回復における役割を検証する.
|
研究成果の概要 |
生物の振動・同期現象において,例外的な挙動を示す”外れ値”が普遍的に観測される.しか,そのような例外は議論の対象から外され,その存在意義について十分に議論されていなかった.本研究では,シオミズツボワムシの個体群動態について数理解析を行い,集団に大きな攪乱を与えられた際の外れ値が系に与える効果について検証した.ワムシの栄養状態やストレスを考慮した個体群動態を記述する離散力学系モデルを構築し,シミュレーションの結果,絶食下において自身の生存をあきらめて産卵する”外れ値”個体が出現することによって,個体群の存命期間が延長されることを示した.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,シオミズツボワムシの個体群変動をテーマに外れ値が系に与える影響について調べた.結果として,絶食下において自身の生存をあきらめて産卵する”外れ値”個体が出現することによって,個体群の存命期間が延長されることが示された.仮に,大多数が絶食下で産卵を選択した場合,孵化率が低いため個体群の絶滅が早まるものと推測される.このように本研究では,自然界に出現する外れ値が個体群の維持に寄与する例を見出した.
|