研究課題/領域番号 |
19K21207
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補助金の研究課題番号 |
18H06084 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0704:神経科学、ブレインサイエンスおよびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
村上 知成 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (50827087)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | マウス / マーモセット / 背側視覚野 / 運動パターン情報処理 / シナプス入力イメージング |
研究開始時の研究の概要 |
物体の“動き”に関する視覚情報は、皮質視覚領野からなる階層的な神経経路によって処理される。低次領野は単純な動き情報(線分の動く方向)を処理し、高次領野は複数の線分の動きを統合し、大局的な運動パターンを処理する。しかし、低次領野から高次領野の神経細胞にどのような情報が入力し統合されるかという詳細なメカニズムはまだ明らかでない。本研究ではマウス・マーモセット視覚野と生体Ca2+イメージングを組み合わせて、背側視覚野の神経細胞へのシナプス入力を解析し、局所的な運動情報が大局的な運動パターンへ統合される視覚情報処理メカニズムを解明する。さらに種間の比較を行い哺乳類の視覚情報処理における根本原理を探る。
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研究成果の概要 |
物体の“動き”に関する視覚情報は大脳皮質の背側に位置する多数の視覚領野からなる階層的な神経経路によって処理される。低次視覚野の細胞は単純な動きの情報(線分の動く方向)を処理し、背側経路に属する高次領野の細胞は複数の線分の動きを統合し、大局的な運動パターンを処理する。しかし、複数の高次領野の細胞がそれぞれどのような情報を処理しているかいまだ分かっていない。本研究ではマウス・マーモセット視覚野と広域・二光子Ca2+イメージングを組み合わせ、異なる2つの背側視覚野の細胞が物体の動き情報に対して異なる反応性を示すことを解明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
視覚情報は霊長類において外界を認識するための感覚入力の大部分を占める。視覚情報に含まれる運動情報がどう処理されるかいまだ詳細は分かっていない。特に視覚野は脳の感覚領野の中で最も領野数が多く、その領野間で形成される階層的なネットワークによって視覚情報は処理されるため、いまだ各領野でどのような情報を処理し、次の領野に送っているか十分に調べられていない。本研究では視覚の運動情報を処理する背側経路に位置する領野において動き情報が蓄積され、その蓄積度合によって刺激終了後に逆向きの動きを検知する神経活動が見られた。これは我々が見ている物体の次の動きを予測する機能の神経メカニズムを示していると考えられる。
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