研究課題/領域番号 |
19K21211
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補助金の研究課題番号 |
18H06089 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0704:神経科学、ブレインサイエンスおよびその関連分野
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
杉尾 翔太 神戸大学, 医学研究科, 助教 (30825344)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 神経活動依存性髄鞘形成 / オリゴデンドロサイト・神経細胞活動相関 / カルシウムクロストーク / 活動依存性髄鞘形成 |
研究開始時の研究の概要 |
脳白質は髄鞘化した神経軸索で構成される。脳の灰白質を神経情報を統合し新たな神経情報を生み出す「発電所」に例えると、脳白質は「電線」に相当する。これまで脳白質は、神経情報を伝導する「単なる電線」と考えられていたが、近年、神経細胞と髄鞘を形成するオリゴデンドロサイト(OC)および前駆細胞がカルシウムシグナルを介してクロストークし、神経活動に呼応して髄鞘再編が生じ、神経情報の伝導速度を変化させ神経回路活動を時空間的に制御する「可塑的な電線」という概念が生まれている。本研究では、白質の情報伝導に可塑的変化をもたらす神経細胞・OC間のカルシウムクロストーク様式を同定し、その細胞・分子基盤を明らかにする。
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研究成果の概要 |
我々の脳は神経細胞とグリア細胞から構成されている。グリア細胞の一種であるオリゴデンドロサイト(OC)は主に脳の白質に分布し、無数の突起を神経細胞の軸索(神経情報の伝導部位)に巻きつけ、神経情報の伝導速度を制御することで神経情報の伝導を最適化することが、明らかになってきている。本研究では、in vivoイメージング法を用いて、神経細胞の活動を増強・抑制した際のOCカルシウム活動の変化を記録し、OCの活動が神経細胞の活動変化と相関することを明らかにした。また、OC-神経細胞間の活動連関を仲介する神経由来因子の一端を突き止めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでのグリア細胞に関する研究は、神経細胞・グリア細胞間の情報交換や栄養交換といった主に「灰白質や脳血管周囲」での神経細胞・グリア細胞クロストークに焦点が当てられてきた。近年、統合失調症などの高次脳機能を獲得した人に固有の疾患である精神疾患において、白質における髄鞘密度(情報伝導速度)の低下とその発症との関連性が示され、高次脳機能障害における白質の重要性が認識されるようになってきている。本研究によって得られた知見はこれら高次脳機能を理解するための共通基盤となることが期待される。
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