研究課題/領域番号 |
19K21218
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補助金の研究課題番号 |
18H06097 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0801:薬学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
小島 正寛 北海道大学, 薬学研究院, 助教 (90824714)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 光反応 / 金属触媒反応 / 医薬化学 / late-stage官能基化 |
研究開始時の研究の概要 |
無保護脂肪族カルボン酸の脱炭酸不飽和化反応を開発し、医薬様分子から網羅的な新規医薬リードの創出を目指す。具体的には光触媒とコバルト触媒の協働による、分子水素を放出する形式でのカルボン酸の脱炭酸不飽和化反応を開発する。カルボキシル基選択的な医薬低分子、および中分子のlate-stage誘導体化、また生成物である医薬品由来アルケンの構造変換を通じ、本手法にて生物活性の期待される医薬品類縁体が網羅的に供給可能であることを証明する。また光触媒とコバルト触媒の協働触媒系を用いた、医薬様分子の創出に有用な新反応の開発も併せて検討する。
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研究成果の概要 |
当初計画していた触媒的なカルボン酸の脱水素型変換によるアルケン合成の研究を行う中で、目的反応の逆反応に相当するコバルト触媒と金属触媒の協働によるアルケンの水素化反応の発見にいたった。詳細な反応機構解析研究の結果、我々が発見した水素化反応はアスコルビン酸のみを等量試薬として用いる、水素原子移動型水素化反応であることが分かった。これは環境負荷の比較的大きい有機ケイ素試薬や爆発性の懸念される過酸化物を用いる必要があった既存の水素原子移動型反応の制限を克服する成果であり、有機合成化学における水素原子移動型水素化反応のさらなる応用の基盤となると期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
光触媒を用いた変換は、ここ10年に渡り有機合成化学において目覚ましい発展を遂げてきており、現在でも光触媒と金属触媒を組み合わせることによる、新たな化学反応の開発が続けられている。こうした試みの中で、光触媒とコバルト触媒の組み合わせは脱水素型反応において一定の発展を遂げてきたものの、その逆反応に相当する水素化反応への応用は大きな関心を集めてこなかった。今回我々のグループが報告した光触媒とコバルト触媒の協働による水素化反応はこうした近年の潮流に一石を投じ、光触媒とコバルト触媒の協働触媒の新たな活用の方向性を提示することに成功した点に意義があると考えている。
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