研究課題/領域番号 |
19K21230
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補助金の研究課題番号 |
18H06112 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0801:薬学およびその関連分野
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
池田 朱里 北里大学, 感染制御科学府, 特任助教 (40825056)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 全合成 / エフロトマイシン / efrotomycin / C.difficile感染症 / 収束的 / 嫌気性菌 / 鎖状天然物 / 抗生物質 / 抗嫌気性菌活性 / 収束的不斉全合成 / 偽膜性大腸炎 / 抗嫌気性活性 / 抗菌薬関連性腸炎/下痢症 / Clostridium difficile |
研究開始時の研究の概要 |
細菌の抗菌薬に対する耐性獲得は、抗菌薬の効果を著しく減弱させることから大きな問題となっている。この問題に対し、標的となる細菌のみに効果を発揮する抗生物質の開発が重要である。本研究は、生命を脅かす疾患の1つである偽膜性大腸炎の原因菌に対して、選択的な抗菌作用を示したエフロトマイシンという化合物に着目し、選択的な抗菌作用の解明をも可能にするエフロトマイシンの合成経路の確立を目標として行われている。
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研究成果の概要 |
C.difficile感染症は重篤度の高い偽膜性大腸炎を引き起こす感染症であるが、その原因である嫌気性菌C.difficileに対する治療薬は不十分である。そのような背景の下、大村智記念研究所においてエフロトマイシンがC.difficileに対して有効であることが見出されたことから、本研究では多様な類縁体合成が可能なエフロトマイシンの収束的な合成経路の確立に着手した。 4つに分割したエフロトマイシンの部分骨格を修飾することで効率的な類縁体が構築できると考え、各部分骨格の合成を開始した。現在までに、2つの部分骨格の合成を達成した。今後、本物質の全合成ルート確立と創薬研究の進行が期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
エフロトマイシンの合成報告は1例あるが、その全合成経路は直線的であり、創薬研究に必要な類縁体の合成検討は難しい。本研究ではこの困難さを克服すべく、エフロトマイシンを4つの部分骨格に分割し、うち2つの骨格に共通する3置換オレフィン構造の効率的な構築法を確立することで、大幅な反応の効率化を実現した。これにより本全合成が達成された際には、エフロトマイシンの多様な類縁体を効率良く構築できる点において学術的な意義を有する。 さらに本研究は、抗菌活性に着目した研究に貢献できることからも、抗C.difficile活性を有する化合物の創薬研究として大きな社会的意義を持つ。
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