研究課題/領域番号 |
19K21231
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補助金の研究課題番号 |
18H06113 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0801:薬学およびその関連分野
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
森田 茜 北里大学, 薬学部, 助教 (00828072)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 血管内皮細胞 / 血管生物学 |
研究開始時の研究の概要 |
未熟児網膜症や糖尿病網膜症では、虚血網膜から逸脱して伸長した新生血管が視野欠損や失明の原因となる。発達期には、血管は虚血領域へ向けて新生するため発達期と病態時とでは血管伸長の方向を決定する機序が異なる可能性がある。申請者は、新生仔マウス網膜を用いた研究において代表的な血管新生促進因子である血管内皮成長因子 (VEGF) が虚血領域への血管伸長を抑制するというこれまでの概念を覆す結果を得ている。本研究では、VEGF による血管内皮細胞の遊走抑制という現象の分子基盤とその普遍性を明らかにすることを目的とし、種々の血管内皮細胞において内皮細胞遊走に対するVEGF の抑制作用とその機序を解析する。
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研究成果の概要 |
本研究では、申請者がこれまでに新生仔マウス網膜を用いた研究において見出したVEGFによる血管内皮細胞の遊走抑制という現象の分子基盤とその普遍性を明らかにすることを目的とした。ヒト臍帯静脈内皮細胞において、遊走は至適VEGF処置により促進されるものの、高濃度VEGF処置により抑制に転じることを見出した。細胞活性及び増殖能においては、両処置間で違いは認められなかった。これらの実験結果は、血管内皮細胞の遊走を促進させるための至適なVEGF濃度範囲が存在し、それを超えると血管内皮細胞の遊走が抑制されるという現象がマウスの網膜血管以外の内皮細胞においても認められる普遍的なものであることを示唆している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
強力な血管新生促進因子として知られている VEGF が、血管内皮細胞の遊走を至適な濃度では促進するものの、高濃度になると抑制に転じさせることを見出した本研究は、これまでの血管新生における VEGF の概念を覆す基礎生物医学的に意義深い成果をもたらしたとともに、血管新生が問題となる眼疾患の病態解明や様々な虚血性疾患の治療に対しても応用可能な概念を生み出した。
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