研究課題/領域番号 |
19K21246
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補助金の研究課題番号 |
18H06130 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0802:生体の構造と機能およびその関連分野
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
浅野 大樹 北里大学, 薬学部, 助教 (90821918)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 網膜 / 神経 / グリア / 血管 / MMP / 網膜疾患 / 血管生物学 / グリア細胞 / 薬理学 / 網膜神経 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の究極の目的は、網膜における神経-グリア-血管連関の破綻における MMP の意義の解明を通じて、緑内障の予防・治療戦略開発の新機軸を構築することである。その実現のために、[1] 効率的に顕著な変化が観察される新生仔網膜神経障害モデルラットを用いて、網膜神経が障害された後の毛細血管の脱落に及ぼす MMP-2, -9 の影響について検討し、[2] 神経-グリア-血管連関の視点より MMP-2, -9 の産生・活性化を招く機序を明らかにする。
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研究成果の概要 |
網膜における神経-グリア-血管連関の破綻における matrix metalloproteinase (MMP) の意義を理解するために、神経障害後の血管障害における MMP の役割について検討した。その結果、1) MMP 阻害薬が血管障害を抑制すること、2) 血管の脱落に先行して血管の MMP 活性が上昇すること、及び 3) 網膜実質に浸潤した白血球が MMP-9 を産生すること、から神経障害後に網膜実質へ浸潤した白血球が産生した MMP-9 が、血管の MMP 活性を上昇させて血管障害に寄与することが示唆された。本成果は、MMP の機能制御が網膜疾患の新規治療戦略になる可能性を示唆している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
網膜神経が障害されると、網膜実質へ浸潤した白血球より産生・遊離された MMP-9 が、網膜血管における MMP の基質の分解亢進により血管障害を引き起こし、その結果、血流障害による更なる神経障害を引き超す可能性が示された。本研究成果は、網膜における神経-グリア-血管連関のより深い理解をもたらしたとともに、後天性失明や視力低下の原因として大きな割合を占め、社会的問題となっている緑内障等の網膜疾患に対して、MMP の制御により網膜神経の生存環境を正常化するという、新たな治療戦略の可能性を示した。
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