研究課題
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nesfatin-1は摂食抑制作用をもつペプチドである。このペプチドと他の摂食抑制効果のある物質との関連性を検討した。キスぺプチンにも摂食を抑制する効果があるが、キスぺプチンの摂食抑制の脳内の経路の一部にnesfatin-1が関連することを確認した。その他の物質とnesfatin-1の関連を今後検討することにより、nesfatin-1が新たな抗肥満治療につながることが期待される。
摂食抑制物質として発見されたNesfatin-1は、摂食調節中枢のひとつである視床下部のオキシトシンニューロンを直接活性化し、摂食を抑制する経路が明らかにされている。しかしNesfatin-1含有ニューロン群は中枢神経系に広く分布するもののその病態生理学的特性の詳細については不明である。我々は、ラットにキスペプチンやニコチンなどの摂食抑制物質を投与した結果、視床下部のNesfatin-1ニューロンが活性化することを見出した。この摂食抑制効果はNesfatin-1 antisenseで有意に減弱した。これらは、摂食抑制物質の摂食調節にNesfatin-1が密接に関連することを示唆する。
本研究において、摂食抑制効果のある物質の抑制経路に、Nesfatin-1が関連していることが明らかとなった。Nesfatin-1はレプチン抵抗性を示す肥満患者においてもその摂食抑制作用を発揮するため、Nesfatin-1の摂食調節における役割を明らかにすることにより、新たな肥満治療につながる可能性があり、今後の摂食経路および肥満治療の開発のために意義深い結果であると考える。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件)
Peptides
巻: - ページ: 170313-170313
10.1016/j.peptides.2020.170313
巻: 112 ページ: 114-124
10.1016/j.peptides.2018.12.003