研究課題/領域番号 |
19K21251
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補助金の研究課題番号 |
18H06136 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0803:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
高橋 隼也 東北大学, 大学病院, 助教 (30712195)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 乾癬 / メタボリック症候群 / カセリサイディン / DAMPs / LL-37 / 抗菌ペプチド / DAMPs/PAMPs / 感染症 / DAMPs / PAMPs |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、慢性炎症性皮膚疾患である乾癬の臨床医学的知見である①感染症による乾癬症状の増悪と②乾癬患者にメタボリック症候群を合併しやすい、という2つの機序の分子機構を解明することを目的とする。抗菌ペプチドであるLL-37、DAMPs/PAMPs、スカベンジャー受容体といった免疫学的機序は乾癬だけではなく自然免疫および炎症性疾患に遍く関与する機序であるので、本研究は乾癬のみならず、広く炎症性疾患の炎症、及びそれに引き続くメタボリック症候群の病態解明、さらに新たな機序の抗炎症薬の開発につながると期待している。
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研究成果の概要 |
代表的なDamage-associated molecular patterns (DAMPs)であり、スカベンジャー受容体のリガンドとして知られるmock dsDNAやhigh mobility groupbox 1 proteinを活性型カセリサイディン(LL-37)とともにヒト培養角化細胞に加えたところ,単独に比べIL-6,TNF-αといったサイトカインが強く誘導された.また,乾癬患者病変部皮膚を用いた免疫組織化学法では、LL-37陽性角化細胞を多数認める症例でのみ,乾癬の病態形成に重要であるとされるIL-36γが表皮で陽性だった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
LL-37がDAMPsにより炎症誘導を強めることで,TNF-α,IL-36γといった乾癬のサイトカインを誘導し,その病態形成に関わることが示された。また,DAMPsは乾癬だけでなく広く炎症およびそれに伴う細胞傷害で放出されることが知られており、急性炎症性疾患である感染症や,慢性炎症を伴うメタボリック症候群でも同様の機序で炎症惹起を来している可能性が示された.過去にわれわれはLL-37とDAMPsによる炎症誘導の機序にスカベンジャー受容体が関与することを報告しており、LL-37やスカベンジャー受容体に対する抗体や薬剤が,新たな機序の抗炎症薬となる可能性を考えている.
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