研究課題/領域番号 |
19K21256
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補助金の研究課題番号 |
18H06141 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0803:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
丸鶴 雄平 東京大学, 医科学研究所, 助教 (50825750)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ウイルス / シングルセル解析 / 1細胞解析 / HSV-1 / トランスクリプトーム |
研究開始時の研究の概要 |
単純ヘルペスウイルス(HSV)を培養細胞に感染させる際細胞毎の感染の不均一性が認められる。この現象は細胞側の遺伝子発現の不均一性が影響していることが考えられるが、HSV感染の不均一性に関与する宿主因子は明らかになっていない。本研究はHSV感染細胞のシングルセルRNA-seqとその後のバイオインフォマティクス解析により感染の不均一性を司る宿主因子の候補を選定し、CRISPR-Cas9によって候補遺伝子のノックアウト細胞を作製する。作製したノックアウト細胞にHSVを感染させ、感染の不均一性を評価する事により、HSV感染の不均一性を司る宿主因子を同定する事を目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では(i)Fluidigm社のC1 systemを用いてHSV感染細胞の1細胞トランスクリプトームのデータを取得した。(ii)取得した1細胞トランスクリプトームデータの統計解析によってHSVの感染不均一性に関わる可能性のある複数の候補遺伝子を同定した。(iii)CRISPR-Cas9によってそれらの候補遺伝子のノックアウト細胞を複数作出し、ウイルス増殖、及びウイルスの遺伝子発現を制御する宿主遺伝子を同定した。(iv)同定した宿主遺伝子はウイルスの転写因子と結合することによってHSVの遺伝子発現移行を制御することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
単純ヘルペスウイルス(HSV)溶解感染時の遺伝子発現制御機構に関する研究はウイルス増殖の制御法だけでなく、再活性化機構の理解とその制御法の開発に繋がる極めて重要なテーマの一つである。本研究ではHSV感染の細胞毎のバラつきの原因をscRNA-seqによって解析することによりウイルスの新規遺伝子発現制御機構を解明することができた。本研究によって得られた知見は、HSVが引き起こす病態の理解やウイルス再活性化の制御法の基盤的な知見に成り得る。
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