研究課題/領域番号 |
19K21259
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補助金の研究課題番号 |
18H06145 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0803:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
白銀 勇太 九州大学, 医学研究院, 助教 (40756988)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ウイルス間相互作用 / 干渉 / 相互作用 / ウイルス / 宿主因子 / 麻疹ウイルス / ヒトメタニューモウイルス / ミニゲノム系 / p53経路 / 酸化ストレス / Quasispecies |
研究開始時の研究の概要 |
ウイルスが宿主の細胞に寄生し自身を再生産する際、宿主細胞の様々な因子(宿主因子)を利用することが知られている。複数のウイルスに共通する宿主因子を発見すれば、その宿主因子をターゲットとすることで、様々なウイルスに効果のある広域の抗ウイルス薬の開発につながると考えられる。本研究ではウイルス同士が共通の宿主因子を奪い合うことで「干渉」しあうメカニズムの解明を通して、複数種のウイルスに共通する宿主因子を発見し、広域抗ウイルス薬の開発につなげていくことを目的としている。
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研究成果の概要 |
異種ウイルスが同一の細胞に感染すると協調や干渉など様々なタイプの相互作用がウイルスのライフサイクルの様々なレベルで観察されるが、私たちはその相互作用を研究することで麻疹ウイルスのLタンパク質にはヒトメタニューモウイルスの転写・翻訳を促進する未知の機能があることを見出した。そのことを起点として、私たちはLタンパク質がCAP依存性翻訳をIRES依存性翻訳に対して優位にさせる機能を持つことを見出した。これはウイルス相互作用を解析することで初めて明らかとなったLタンパク質の未知の機能であり、麻疹ウイルスの増殖機構の解明につながる成果である。詳しいメカニズムについては現在さらに検討中である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ウイルス学における基礎研究は一般的に一つのウイルスに対象を限定し実施されるが、私たちはあえて異なる種類のウイルスを同一宿主細胞内で相互作用させることでこれまでに観察されたことのないアウトプットを発見し、そのメカニズムを解明することで未知のウイルス増殖機構について明らかにする手法を確立したいと考えた。本研究においては確かに相互作用を観察することでこれまで気づいていなかったウイルスタンパク質の機能が見えてくることを確認した。今後、同手法を用いてウイルスの基礎的理解がさらに深まれば、新たな抗ウイルス薬の開発などにつながる可能性がある。
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