研究課題/領域番号 |
19K21264
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補助金の研究課題番号 |
18H06151 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0803:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
岩堀 聡子 藤田医科大学, 医学部, 講師 (80416164)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | EBウイルス / キナーゼ / リン酸化 / 蛋白質分解 / MTA1 / SF3B1 / EBV-PK / リン酸化基質 |
研究開始時の研究の概要 |
Epstein-Barrウイルス(EBV)はガンマヘルペスウイルスに属し、1964年に初めてのがんウイルスとして発見されて以来、長い研究の歴史を持つが、未だに効果的な抗ウイルス薬は開発されていない。他のヘルペスウイルスを含め、その治療の新たな標的としてウイルス由来蛋白質キナーゼが注目を集めている。EBV由来蛋白質キナーゼ(EBV-PK)が実際にウイルス増殖制御の有効な標的であるかを検討する上で、EBV-PKによるリン酸化機構の包括的な理解が求められる。すでに申請者らはEBV-PKの直接的な推定標的因子として21因子を同定しており、これらの因子のリン酸化とウイルス増殖の関係について解析する。
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研究成果の概要 |
EBウイルス関連疾患治療の新たな標的としてEBV由来蛋白質キナーゼ(EBV-PK)に着目した。EBV-PKの新規リン酸化基質として、ヌクレオソーム再構築デアセチラーゼ複合体因子MTA1とスプライシング複合体因子SF3B1を同定し、そのリン酸化の機能的意義を解析した。まず、MTA1はEBV-PKのキナーゼ活性を介してユビキチン化されること、及びプロテアソーム依存的に分解されることを見出した。次にSF3B1はEBV-PKに加えて、そのホモログであるヒトサイトメガロウイルス由来UL97キナーゼによってもリン酸化された。SF3B1はヘルペスウイルス由来キナーゼに共通の基質である可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
EBV-PKによるリン酸化を細胞内の他のキナーゼによるリン酸化と区別する方法(chemical genetics approach)を開発し、質量分析法によりEBV-PKの直接的な標的因子として21因子(うち2つの既知標的因子を含む)を同定し、MTA1とSF3B1について特に解析した。EBV-PKは細胞由来cyclin-dependent kinase(CDK)の機能ホモログであり、本研究の成果はウイルス学に限らず、一般細胞生物学にも貢献することが期待できる。
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