研究課題
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多発性骨髄腫は、B細胞の最終分化段階である形質細胞の性質を有する血液がんである。多発性骨髄腫細胞の維持にはエピゲノム制御因子が深く関わっていることが示唆されているが、それら因子がいかに骨髄腫細胞生存、増殖に寄与しているか、その詳細な機序については十分に解明されていない。申請者は、エピゲノム制御因子の一つであるヒストン脱メチル化酵素が骨髄腫細胞増殖に寄与することを見出した。本研究では、ヒストン脱メチル化酵素が骨髄腫細胞増殖を制御する分子機序を明らかにし、多発性骨髄腫における新規治療法確立への可能性を提示する。
多発性骨髄腫は、B細胞の最終分化段階である形質細胞の性質を有する血液がんである。本研究では、ヒストン脱メチル化酵素の一つであるKDM5Aが骨髄腫細胞増殖に寄与することを見出した。そして、KDM5AはゲノムワイドでMYCと共局在しており、協調的にMYC標的遺伝子の転写を活性化していることを明らかにした。また、新規KDM5阻害剤の有効性をin vitroおよびin vivo骨髄腫ゼノグラフトモデルで示した。
KDM5Aは転写活性化に関わるヒストン修飾であるH3K4me3の脱メチル化酵素であるため、転写抑制因子として働くと考えられているが、本研究はKDM5AがMYCの共役因子として転写を活性化するという新たな機能を提示した。また、新規KDM5阻害がin vivoで有効であるとともに、十分な忍容性があることを示し、KDM5阻害剤を用いた骨髄腫新規治療法の可能性を提示した。
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すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)
http://irda.kuma-u.jp/divisions/disease_epigenetics/disease_epigenetics.html