研究課題/領域番号 |
19K21286
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補助金の研究課題番号 |
18H06181 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0901:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
佐々木 由香 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 特任研究員 (50823332)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | PARP阻害剤 / olaparib / 抗がん剤耐性 / PARP1 / 合成致死性抗がん剤 / ポリ(ADP-リボース) / 耐性克服治療法 / poly(ADP-ribose) / PARP / poly (ADP-ribose) / ポリADP-リボシル化 |
研究開始時の研究の概要 |
PARP阻害剤は、相同性組換え修復に関わるBRCA1またはBRCA2に変異を持つ卵巣がんに特異的に致死を誘導する合成致死性抗がん剤として開発された。副作用が少ない抗がん剤として期待されているが、PARP阻害剤の耐性機構は未だ詳細に解析されておらず、その耐性を克服するための治療法も確立されていない。そこで本研究では、 PARP 阻害剤耐性に寄与する新規因子を同定し、その耐性機構を解明する。また、PARP阻害剤耐性を獲得したがん細胞における耐性克服治療法を既存の抗がん剤を用いて検討する。以上の解析より、PARP阻害剤耐性を獲得したがん罹患者の耐性克服治療法の開発に繋がるような研究を行う。
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研究成果の概要 |
PARP阻害剤は、DNA修復に関わるBRCA1及びBRCA2に変異を有する卵巣がん、乳がん及び膵がんに特異的に致死を誘導する合成致死性抗がん剤として開発された。研究代表者らは、以前shRNAライブラリーを導入したT-REx HeLa細胞株をPARP阻害剤で処理し、遺伝子発現解析を行った結果を基に、耐性候補因子の検証を行った。また、新規PARP阻害剤耐性因子を同定するために、新たにPARP阻害剤耐性株をスクリーニングした。今後、これらの細胞株を用いて耐性規定遺伝子の解析を行うことで、新規耐性因子を同定し、PARP阻害剤耐性を克服するために新規治療法を提案できると考えている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
合成致死性抗がん剤は、正常細胞ではなくがん細胞に対して特異的に致死を誘導することから、副作用の少ない抗がん剤として期待される。合成致死性抗がん剤であるPARP阻害剤も既に臨床応用されているが、がんの治療において、抗がん剤耐性の獲得が治療上の問題となっている。本研究課題では、PARP阻害剤に対する耐性株を新たに構築すると共に、PARP1欠損マウスを用いた解析より、PARGの発現低下がPARP阻害剤耐性に繋がる可能性を示唆した。今後、PARP阻害剤に対する新規耐性因子を同定し、耐性獲得時の治療法を開発することにより、がん治療に貢献できると考えている。
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