研究課題/領域番号 |
19K21301
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補助金の研究課題番号 |
18H06196 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0902:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
渡邉 真 京都大学, 医学研究科, 特定病院助教 (20823082)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 心不全 / ATP保持 / KUS / VCP / 細胞内ATP保持 / KUS剤 / 小胞体ストレス / 低酸素 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではKUS剤の心不全に対する治療応用可能かどうかの検証を主として行う。 マウスなどの小動物で心不全モデルを作成しKUS剤の効果を判定し、細胞実験ではその効用もしくは毒性を分子レベルで証明する。マウスモデルでは既に心不全への効果が期待される結果であるため、ブタなのどの大型動物を使用し人への投与が可能かを検討する予定である。 また虚血性心疾患や心不全と同様に細胞が低酸素環境にさらされるものと思われる肺高血圧症への治療可能性も探索する。
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研究成果の概要 |
KUS剤は細胞内のATPを維持する作用、小胞体ストレスを軽減する作用を有することが報告され、現在までマウスやブタ心臓虚血障害モデルにおいてKUS剤が改善効果を示すことを既に我々は報告している。 本研究では同じく小胞体ストレスが増大する心不全におけるKUS剤の治療可能性に注目し、心不全モデルを用いて臨床応用の可能性を探った。マウス弓部大動脈狭窄-心不全モデルに対しKUS剤もしくは5%ブドウ糖液の3週間腹腔内投与を行った。 その結果KUS剤投与ではControl群と比べ心肥大や肺水腫を抑制し、左室収縮能機能の悪化を抑制した。これらの結果はKUS剤の心不全への治療が有効である可能性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で得られた知見でKUS剤の心不全治療への臨床応用の可能性を開くことができた。虚血性心疾患におけるKUS剤の効果に関し、我々はマウスから前臨床試験としてのブタを用いた実験で既に実証していたが、非虚血性心不全マウスモデルにおいても改善効果を示せたことは、心疾患におけるKUS剤の汎用性を示すものである。特に心不全は悪性腫瘍に次ぎ死因の第二位であり、高齢化がますます進むことで今後心不全パンデミックを引き起こすであろうとされている中、心不全の治療オプションを増やすことは意義のあることと考える。
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