研究課題/領域番号 |
19K21321
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補助金の研究課題番号 |
18H06219 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0902:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
鷲田 和夫 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 医長 (60467488)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | CADASIL / CADASIL scale-J / NOTCH3 / R75P mutation / lacunar infarction / R75P遺伝子変異 / ラクナ梗塞 / NOTCH3変異 / R75P変異 / NOTCH3遺伝子 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究はラクナ梗塞患者における N O T C H 3 遺伝子変異の保有率を調べることを主目的とする。代表的な遺伝性脳小血管病である CADASILの原因遺伝子として N O T C H 3 遺伝子が同定されている。我々は従来の CADASIL の概念に当てはまらない脳血管障害、特にラクナ梗塞についても N O T C H 3 遺伝子変異が関与している可能性があるとの仮説を立て、国立循環器病研究センターに入院したラクナ梗 塞患者を対象として N O T C H 3 遺伝子の全エクソーム解析を行い、ラクナ梗塞患者における遺伝的 素因の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
近年、NOTCH3遺伝子変異が示された症例でもCADASILに典型的な臨床徴候を示さない例が存在することが明らかになってきた。2011年1月~2018年4月にラクナ梗塞の診断で国立循環器病研究センターに入院し、バイオバンクに血液検体を提供した全292例のうち、非典型的で脳小血管病の可能性gあ高い、①60歳未満の若年発症、②高血圧がないにも関わらず中等度以上の白質病変を有するラクナ梗塞患者に対象を絞ってNOTCH3遺伝子変異を解析した。その結果、85名のうち3名 (3.5%)にNOTCH3 R75P遺伝子変異を認めた。これは日本人一般の保有率と比べオッズ比が58.2と非常に高い 結果であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
CADASILはNOTCH3遺伝子変異により生じる代表的な遺伝性脳小血管病である。CADASIL患者では大脳白質病変が徐々に進行し、中年期からラクナ梗塞を繰り返し、徐々に認知症や運動機能障害が進行する。遺伝性脳小血管病では最も頻度の高い疾患で、欧州では10万人あたり4-15人の患者が存在するとされている。しかしながら近年、NOTCH3遺伝子変異が示された症例でも CADASILに典型的な臨床徴候を示さない例が存在することが明らかになってきた。本研究の結果、CADASILが予想以上にラクナ梗塞発症に関与している可能性が示唆された。
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