研究課題/領域番号 |
19K21326
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補助金の研究課題番号 |
18H06226 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0903:器官システム内科学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
渋谷 倫太郎 京都大学, 医学研究科, 助教 (30823059)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 刺激性皮膚炎 / 補体 / 好塩基球 / C5a / 上皮傷害 / 皮膚免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
病原体などの外的刺激に対する自然免疫応答は、宿主の生体防御機構として重要である。皮膚では外的刺激を受け上皮傷害を来すと、好中球や単球/マクロファージが浸潤して病原体の貪食や組織修復を行う。しかし、表皮由来因子の放出から炎症細胞浸潤へ至る真皮内の応答経路は不明である。補体系は、病原体の排除や貪食の補助機構と考えられてきたが、近年では様々な免疫調節作用が報告されている。申請者は、刺激因子であるドデシル硫酸ナトリウムの反復塗布で誘導される炎症細胞浸潤が、補体欠損マウスでは減弱することを見出した。本研究では、補体システムに着目し、上皮傷害によって誘導される皮膚免疫応答カスケードの解明を目指す。
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研究成果の概要 |
今回われわれは、代表的な刺激因子のひとつであるドデシル硫酸ナトリウム(SDS: sodium dodecyl sulfate)への反復暴露により皮膚では補体系が活性化すること、補体経路の内C5a-C5aR1経路が炎症細胞の皮膚への浸潤に重要であることを明らかにした。さらに、C5aR1の発現を全てのマクロファージ、そして一部の好中球、単球、樹状細胞、好酸球、好塩基球において確認し、骨髄キメラマウスを用いた実験により放射線感受性細胞におけるC5aR1が重要であることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
病原体や化学物質などの外的刺激に対する自然免疫応答は、宿主の生体防御機構として重要である。外的刺激により皮膚がダメージを受けると、末梢血から炎症細胞が障害を受けた皮膚局所に集まることで病原体の貪食や組織修復を行う。今回われわれは、界面活性剤への反復暴露により皮膚では補体系が活性化し、血球系細胞におけるC5a-C5aR1経路が炎症細胞の皮膚への浸潤に重要であることを明らかにした。生体防御に関わる自然免疫応答に補体が必須であることが本研究を通して明らかとなり、 補体系の新たな免疫調整作用を明らかにできたという意義がある。
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