研究課題/領域番号 |
19K21327
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補助金の研究課題番号 |
18H06227 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0903:器官システム内科学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
種池 学 大阪大学, キャンパスライフ健康支援センター, 助教 (30609756)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 心不全 / β受容体 / エンドサイトーシス / オートファジー |
研究開始時の研究の概要 |
重要な細胞内分解機構の一つであるオートファジーは、細胞内恒常性を維持することによる細胞保護的役割を持っている。オートファジーを抑制する数少ない因子であるRubiconについて解析することにより、オートファジーによる心筋細胞内恒常性維持のシステムについて基礎的検討を行うことを目的とする。野生型マウスや初代培養心筋細胞を用いて、種々の負荷におけるRubiconの発現量の変化を解析する。また心筋細胞特異的Rubicon欠損マウスを用いた病態モデルを作製し、解析する。これらの検討により、新規創薬につながる分子標的を明らかにし、心不全治療への応用を目指す。
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研究成果の概要 |
心筋細胞特異的Rubicon欠損マウスの表現型は、野生型と比較して、明らかな差を認めなかった。そこで圧負荷手術を施行したところ、Rubicon欠損マウスは心不全を呈し、β受容体が減少していることを確認した。さらに、ラット新生児単離初代培養心筋細胞においてRubiconをノックダウンすると、β刺激後のβ受容体減少が促進されることを確認した。これらの結果より、Rubiconはエンドサイトーシス性分解を抑制し、β刺激後にダウンレギュレーションを受けたβ受容体をリサイクルして細胞膜上に返還することにより、心筋細胞膜上のβ受容体を維持するという、心臓保護的作用を有することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で得られた結果から、オートファジー抑制分子として知られていたRubiconが、エンドサイトーシス性分解の抑制によるβ受容体の維持というメカニズムを介して、心臓保護作用を有する可能性があることが示唆された。心不全では心筋細胞膜上に存在するβ受容体が減少することが知られているが、これまで、心不全においてβ受容体が減少するメカニズムは明らかになっていない。その一端を明らかにした本研究は、エビデンスに基づいた治療を行っているにも関わらず、長年予後の劇的な改善が見られていない心不全治療において、新たな治療標的を提示できる可能性があり、今後の治療法や治療薬の開発に重要な意味を持つと考えられる。
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