研究課題/領域番号 |
19K21330
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補助金の研究課題番号 |
18H06230 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0904:生体情報内科学およびその関連分野
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
臼井 俊明 筑波大学, 医学医療系, 講師 (50825099)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 糸球体上皮細胞 / MafB / 転写因子 / 慢性腎臓病 / 巣状分節性糸球体硬化症 / 誘導剤 / atRA |
研究開始時の研究の概要 |
慢性腎臓病のひとつである巣状糸球体硬化症は、半数以上が末期腎不全になる予後不良な疾患で、糸球体上皮細胞の障害が巣状糸球体硬化症の原因である。研究代表者らは転写因子MafB が糸球体上皮細胞に発現し、ヒトMAFB の点変異により、巣状糸球体硬化症を発症すること、ヒト腎生検の解析で巣状糸球体硬化症においてMAFB発現が低下していることを報告した。本研究の目的は、MafB を糸球体上皮細胞に過剰発現させることで、巣状糸球体硬化症発症に対して保護的に働くかを調べ、有効なMafB 誘導剤を選定し、ヒトの巣状糸球体硬化症を始めとした慢性腎臓病への治療応用に活かすことである。
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研究成果の概要 |
巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)のモデルマウス解析で、MafBが腎糸球体上皮細胞に過剰発現したマウスでは、尿タンパクが減少して腎障害も軽減した。ビタミンA誘導体の一種であるオールトランスレチノイン酸 (atRA) が、マクロファージにMafBを誘導することを過去に報告しており、マウスの腎糸球体上皮細胞株にatRAを投与したところ、MafB発現量の上昇を確認した。マウスの実験でも、atRA投与マウスでは、腎臓の単離糸球体でMafB発現量が上昇し、これらのマウスでは尿タンパクが減少し、腎障害も軽減していた。腎糸球体上皮細胞でMafBを発現上昇させることでFSGSが軽減すること、が明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
巣状分節性糸球体硬化症は、指定難病の対象となっている疾患で、治療にはステロイド剤や免疫抑制薬が用いられるが、難治性で、患者の約4割が、発症後15年程度で末期腎不全に至る。主として糸球体上皮細胞の傷害が、巣状分節性糸球体硬化症の発症・進展の鍵を握ると考えられているが、これまで発症メカニズムは十分に解明されていなかった。 今回の研究において、遺伝子操作や既存の白血病治療薬(オールトランスレチノイン酸)投与により、糸球体上皮細胞にMafBを過剰発現させたマウスでは、腎障害悪化やタンパク尿が軽減することを解明した。この結果は、巣状分節性糸球体硬化症の新しい治療法開発の基盤となる。
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