研究課題/領域番号 |
19K21334
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補助金の研究課題番号 |
18H06235 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0904:生体情報内科学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人国立がん研究センター |
研究代表者 |
服部 鮎奈 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 研究員 (60820420)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | がん代謝 / 白血病 / アミノ酸 / IDH |
研究開始時の研究の概要 |
現在の医療では、進行・再発がんの完治は極めて難しいのが現状である。その原因の一端は、がん細胞の中でも治療抵抗性を示す特殊な細胞集団(がん幹細胞)が再発の原因となるからであるが、がん幹細胞の機能を裏打ちする分子基盤の理解には不十分な点が多く残されている。本研究では、アミノ期転移酵素に着目し、その機能解析を行うことで、がん幹細胞がどのようにして未分化状態を維持し高い増殖能を持つかを解明することを試みる。この解析により、がん細胞の持つ特殊な代謝状況を明らかにし、これを標的とする治療にむけた知識基盤の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
脳腫瘍や急性骨髄性白血病などの難治性がんに共通して見つかるIDH遺伝子変異は、オンコメタボライト2-HGを産生することでがん促進的な効果を示すと考えられる。一方で、2-HGは細胞内で働く広範な酵素に影響を及ぼすことから、IDH遺伝子変異がどのようにがんの増殖・維持に機能しているか未解明な部分が残る。本研究では、白血病細胞でがん促進的に働くアミノ基転移酵素BCAT1が2-HGにより阻害されることを発見し、2-HGの持つがん抑制的な側面を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
難治性がんに共通して見つかるイソクエン酸脱水素酵素IDH遺伝子変異は、がん細胞特異的に変異型IDH (mutIDH)タンパク質を発現させることから、有効な治療標的である。しかし、実際のIDH阻害薬を用いた治療では再発の問題が残る。今回、2-HGの標的因子として新たにがん促進因子であるBCAT1を同定した。今後、IDH阻害薬使用時にBCAT1再活性化が引き起こされるか調べることで、再発を防ぐ治療戦略に繋がることが期待される。
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