研究課題/領域番号 |
19K21343
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補助金の研究課題番号 |
18H06248 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0906:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
片山 翔太 東北大学, 医学系研究科, 助教 (60825123)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 緑内障 / 網膜神経節細胞死 / CRISPR-Cas9 / AAV / in vivo knock-out / fluorescence labeling / CAT / 代謝 / fluoresence labeling / CRISPR / ゲノム編集 / AAVベクター / 代謝リプログラミング |
研究開始時の研究の概要 |
緑内障は本邦における中途失明原因第1位の眼疾患である。日本人の緑内障患者の約7割は正常眼圧緑内障であり、眼圧下降以外の有効な治療法の開発が望まれている。 ATPはエネルギー代謝の中心的役割を果たす分子で、緑内障で障害される網膜神経節細胞では重要な働きをしている。眼圧非依存因子としての眼循環障害が緑内障病態の一つであることも証明されており、エネルギー代謝の異常によるATP量の減少が考えられる。本研究では、網膜神経節細胞特異的なPDHK遺伝子の破壊を行い、PDHK阻害剤投与による網膜神経節細胞の保護効果が網膜神経節細胞内のPDHK阻害によるものであるかを検証する。
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研究成果の概要 |
緑内障の病態解明研究を個体レベルで遺伝子を対象に行うために、網膜神経節細胞でのみ遺伝子破壊をすることができる新たなゲノム編集システムの開発を行った。本研究では、網膜神経節細胞特異的プロモーターを同定・縮小し、Cas9をドライブした。遺伝子破壊細胞を蛍光標識するために、小型の蛍光タンパク質をノックインするための開発も行った。本システムを搭載したAAVベクターを硝子体注射により、マウス眼内へ注入した。マウス網膜を摘出し解析を行った結果、CATが網膜神経節細胞死に関与していることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
緑内障は中途失明原因第1位の眼疾患である。現在唯一エビデンスのある治療法は眼圧下降治療であるが、日本人の緑内障患者の約7割は眼圧が正常範囲内にある正常眼圧緑内障であり、超高齢社会を迎え失明患者は増加の一途を辿っていることから、眼圧下降以外の有効な治療法の開発が望まれている。本研究では網膜神経節細胞特異的に遺伝子破壊し、遺伝子破壊された細胞が標識される新たな実験系を開発した。本技術を用いることにより、網膜神経節細胞特異的に遺伝子破壊が起こっていることを確認でき、CATが網膜神経節細胞死に関与していることを突き止めた。緑内障患者の前房水中でもCATの代謝物が多くあることから、関与が示唆される。
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