研究課題/領域番号 |
19K21346
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補助金の研究課題番号 |
18H06252 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0906:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
池田 芳紀 名古屋大学, 医学系研究科, 特任助教 (30820378)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 子宮体癌 / 腹膜播種 / 腹腔内治療 / 大気圧プラズマ / プラズマ活性溶液 / オートファジー / 婦人科悪性腫瘍 |
研究開始時の研究の概要 |
婦人科悪性腫瘍における腹膜播種は難治性で予後不良な進展様式の一つである。様々な分子標的薬、免疫療法等の研究が進められているが、効果は十分とは言い難い。研究代表者が所属するグループは大気圧プラズマによる癌治療の実用化に向け、実験室で使用可能な簡易プラズマ発生装置を開発し、卵巣癌腹膜播種に対してin vitroおよびin vivoで劇的な抗腫瘍効果を証明したが、そのメカニズムには未知の部分が多い。本研究では大気圧プラズマによる腹膜微小環境の変化を様々な角度から検証し、抗腫瘍効果のメカニズムを解明する。
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研究成果の概要 |
プラズマ活性溶液の子宮体癌に対する効果に関してはこれまでに報告がなく、我々はプラズマ活性溶液が子宮体癌細胞に対して抗腫瘍効果を有し、その作用機序はオートファジー(細胞の自食作用)細胞死が関与することを初めて示した。複数の子宮体癌細胞に対しプラズマ活性溶液を投与したところ、子宮体癌細胞の増殖を抑制し、細胞死を誘導することがわかった。プラズマ活性溶液の作用機序としてオートファジー細胞死の活性化(オートファジーに関連するタンパクLC3Bの発現増加)が関与することを突き止めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
子宮体癌はわが国では毎年約15,000人が罹患、約2,100人が死亡し、罹患数、死亡数ともに年々増加している。早期に診断された場合の予後は良好であるが、進行した状態で診断された場合や再発した場合の予後は不良で、化学療法に抵抗性をもつ難治性腹膜播種であるケースも多い。また、わが国の保険診療の下で子宮体癌に対して投与可能な薬剤は限られており、腹膜播種を伴う進行・再発子宮体癌に対する新規治療法の開発への需要が高まっている。本研究成果により、子宮体癌に対する新規治療法としてプラズマ活性溶液の臨床応用の可能性が拓かれた。
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