研究課題/領域番号 |
19K21351
|
補助金の研究課題番号 |
18H06258 (2018)
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0906:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
|
研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
川越 雄太 国際医療福祉大学, 医学部, 研究員 (10609077)
|
研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
|
配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 高齢赴任 / 胚発生 / 老化 / 高齢不妊 / CXCL5 / 加齢 / CXCL5 / 着床能改善 |
研究開始時の研究の概要 |
現在、本邦における最も多い不妊原因は高齢不妊であり、晩婚化の傾向が著しい現代の少子高齢化社会において大きな社会問題となっている。その主な原因は卵子、受精卵の質の低下と考えられており、これまでも様々な研究が行われているが、未だ効果的な治療方法は確立されておらず高齢患者が自らの卵子で妊娠することは非常に困難である。そこで本研究では、受精卵の老化を誘導する候補因子の1つであるCXCL5に着目し、受精卵の内部でそのシグナルを抑制することによって、高齢患者の受精卵における質改善効果を明らかにし、高齢不妊患者への臨床応用を目指す。
|
研究成果の概要 |
本研究により、高齢不妊患者の老化した着床前期胚では炎症性の分泌因子であるCXCL5の発現が上昇し、胚自らが分泌するCXCL5により質の低下が引き起こされ、その結果着床率が低下することを確認した。また、マウス胚を用いた動物実験により、高齢マウス胚のCXCL5を胚の培養中に中和抗体を用いて抑制することで、胚の細胞増殖が促進され着床率の改善効果が認められた。CXCL5の抑制は胚の発生には影響せず、CXCL5抑制高齢マウス胚の遺伝子発現は若齢マウス胚の発現にある程度類似していくことが確認された。また、CXCL5抑制胚由来の産仔に異常は見られなかったことから、安全に臨床応用ができると考えられた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、着床前期胚の老化を誘導している新規因子の一つとしてCXCL5が見出された。また、胚の培養中にCXCL5シグナル経路を抑制することにより、高齢マウス胚の着床率が改善することを確認した。本研究を臨床応用することにより、これまで効果的な治療方法が確立されていなかった高齢不妊患者の新規治療法となり、より多くの不妊患者を救うことが可能になると考えられる。また、効果的な治療を行えることで治療費の削減にもつながる。本研究成果は、今後の晩婚化社会において非常に有用な技術となることが予想される。
|