研究課題/領域番号 |
19K21352
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補助金の研究課題番号 |
18H06260 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0906:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
柴田 博史 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (20610421)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 甲状腺未分化がん / 多能性関連遺伝子 / 脱分化 / 未分化転化 / 甲状腺がん / 未分化がん / MAPキナーゼ / エピゲノム / 甲状腺癌 / 未分化癌 |
研究開始時の研究の概要 |
がんは発生元の細胞形質を残した高分化がんから、発生元の細胞形質を完全に喪失し幼弱な状態に近くなった未分化がんまで、種々の分化度をもつ。臨床的に最も悪性度の高いがんの一つである甲状腺未分化がんも非常に幼弱な細胞集団から構成されている。過去の報告より、ある種の未分化がんではES細胞、iPS細胞などのいわゆる多能性細胞と近い性質をもつことが報告されている。甲状腺未分化がんにおいても、これら多能性遺伝子群の発現を検討することで、未分化転化や高い悪性度のメカニズムが解明でき、新たな治療に繋がる可能性がある。
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研究成果の概要 |
本研究では悪性度が高く臨床的な重要度も高い甲状腺未分化がんの発生に対する脱分化の意義、多能性関連遺伝子群の発現状況について臨床検体を用いて検討した。多能性遺伝子群の発現を検討することで、未分化転化や高い悪性度のメカニズムが解明でき、新たな治療に繋がる可能性があると考えた。甲状腺未分化がんの臨床サンプル(病理組織)における多能性遺伝子群の発現状況や、公共マイクロアレイのデータを改変し甲状腺未分化癌の遺伝子発現状況を検討したところ、多能性関連遺伝子の強発現に伴う未分化転化の仮説を支持する結果であった。今後、多能性関連ネットワークを阻害することで、甲状腺未分化がんの新たな治療に繋がる可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では悪性度が高く臨床的な重要度も高い甲状腺未分化がんの発生メカニズムを臨床組織サンプルを用いて検討した。甲状腺未分化がんの病理組織において、ES/iPS細胞で高発現している未分化性を保つ遺伝子(多能性関連遺伝子)の発現状況を検討したところ、多能性関連遺伝子の強発現が未分化転化を促進していると考えられる結果であった。今後、多能性関連ネットワークを阻害する薬剤(たとえばiPS 細胞の形成を阻害すると報告されている薬剤など)が、甲状腺未分化がんの新たな治療に繋がる可能性がある。
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