研究課題/領域番号 |
19K21379
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補助金の研究課題番号 |
18H06291 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
上村 怜央 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (10823560)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 象牙質 / 根面う蝕 / 再石灰化 / 光増感剤 / 歯学 / コラーゲン / う蝕モデル / 架橋結合 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、高齢者の歯の根の虫歯が増加していることが問題となっている。申請者らはこれまでに、眼の病気の治療法の一つとして用いられ始めた、体内に含まれるリボフラビンという物質と、身体に害の少ない領域の紫外線を組み合わせる手法を歯に応用することで、歯の中のコラーゲンの網目構造を密に増やして、歯が溶けることを防ぐという事実を発見した。本研究では、既に虫歯になっている歯にこの手法を応用することに加えて、虫歯予防としてすでに成果のあるフッ素を複合的に作用させることにより、虫歯のさらなる進行を抑制し、かつ再石灰化を目指すという、新しい虫歯予防・治療法の開発を目的としている。
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研究成果の概要 |
活動性根面う蝕を想定した象牙質試料の作成にあたり、ヒト抜去大臼歯の歯根から象牙質試料を採取し、試験面以外をワックスにて被覆したのち、脱灰溶液(酢酸、pH5.0)に3日間浸漬し、象牙質う蝕を模倣した脱灰病変モデルの作成に成功した。そのモデルを用いた試料にUVA活性リボフラビン架橋法を実施し、pH7.0の再石灰化液に浸漬させることにより、走査型電子顕微鏡像において石灰化物の析出を検出し象牙細管の開口度の差異を明らかにし、そして、析出した石灰化物の元素分析の結果、象牙細管内にはリン酸カルシウムを主成分とする組織の沈着を確認することができ、本手法による象牙質の再石灰化の促進が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高齢者の保有歯数の増加に伴い急増している根面う蝕は、広範囲に拡大しやすいため修復操作が困難である。そのため、これからの超高齢社会において、「削って詰める」従来のう蝕治療から、「削らない」う蝕治療へのパラダイムシフトが必須であり、活動製う蝕の再石灰化に重点を置く非切削の治療は極めて重要であると考えられ、溶液にひたし、光照射をして歯質の再石灰化を促す本手法を用いることは画期的な新規手法であると考えられる。
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