研究課題
研究活動スタート支援
口腔や全身の健康に口腔常在細菌叢 (マイクロバイオーム) が影響していることが明らかとなってきている。生後様々な細菌種に曝露されていく中で、ヒト口腔に固有の細菌種が定着することから、環境適応に必要な機能を持つ細菌種が選択的に定着していることが予想される。本研究では、細菌種構成が急激に多様化する乳幼児期の口腔マイクロバイオームの遺伝子群を調べ、口腔常在細菌の定着に関わる機能を網羅的に同定する。本研究の結果は、口腔常在細菌の定着メカニズム解明の足がかりとなり、さらには口腔マイクロバイオームの細菌種構成を制御し誘導することで疾患発症を予防する、新しい歯科治療法につながる可能性を秘めている。
本研究では、口腔マイクロバイオームは生後2年頃までに急激に変化し、その菌種多様性や細菌種構成は成人に近づくことが明らかとなった。また、いくつかの細菌種においてこの時期に全く異なる動きをする菌株の存在が示唆された。本研究の結果は、口腔常在細菌の定着メカニズム解明の足がかりとなり、口腔マイクロバイオームの細菌種構成制御に新たな戦略をもたらす可能性を秘めている。
口腔マイクロバイオームが全身の健康に大きく影響することから、常在細菌定着のメカニズムを明らかにし、マイクロバイオーム形成を制御・誘導することで、疾患発症を予防することができると考えられる。本研究の結果は、常在細菌定着のメカニズム解明の基盤となり、口腔マイクロバイオームをターゲットにした新たな治療法の開発につながる点で社会的意義は大きい。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)
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