研究課題/領域番号 |
19K21385
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補助金の研究課題番号 |
18H06297 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
高井 瑞穂 (山崎瑞穂) 日本大学, 松戸歯学部, 専修医 (20822620)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | アメロチン / microRNA / TNF-α / 遺伝子転写調節 / 歯肉上皮細胞 / 接合上皮 / IL-1β / AMTN / miR-200b |
研究開始時の研究の概要 |
歯肉接合上皮に局在するエナメルタンパクであるアメロチン(AMTN)は、歯周組織の恒常性に関与する可能性が示唆され、生体内におけるその動態を理解することは、歯周病の発症メカニズムを解明するために重要であると考えられる。本研究では、microRNAが標的遺伝子の発現調節を介してさまざまな疾患と関与することに着目し、炎症環境下で発現が増加するmiR-150、miR-200bおよびmiR-223がヒト歯肉上皮細胞においてAMTN遺伝子発現に及ぼす影響を解析した。
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研究成果の概要 |
MicroRNA(miRNA)は,標的mRNAの3末端非翻訳領域(3’-UTR)に結合し遺伝子発現を調節する。アメロチン(AMTN)は,接合上皮の内側基底板に限局して発現する分泌エナメルタンパク質である。ヒト歯肉上皮細胞(Ca9-22)においてTNF-α誘導性のAMTN遺伝子転写に及ぼすmiR-200bの影響を解析した。miR-200b過剰発現により、Ca9-22におけるTNF-α誘導性のAMTNおよびIKKβ mRNA発現が抑制されたことから、miR-200bはAMTN 3’-UTRおよびIKKβ mRNAを標的として,ヒトAMTN遺伝子の転写調節に関与する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
歯肉接合上皮に特異的に発現するタンパク質であるアメロチンは、上皮性付着への関与が示唆され、TNF-α刺激で発現が増加する。本研究では、ヒト歯肉上皮細胞におけるTNF-α誘導性のアメロチン遺伝子発現は、miR-200b過剰発現により直接的に抑制され、さらにIKKβを標的として間接的に抑制される可能性が示された。このことから、歯周病発症に重要な領域である接合上皮におけるアメロチン遺伝子調節機構の、炎症環境下での複雑な動態の一部が明らかとなった。本研究の成果は、歯周病発症メカニズムを解き明かす重要な足掛かりとなると考えられる。
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