研究課題/領域番号 |
19K21392
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補助金の研究課題番号 |
18H06304 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
三上 理沙子 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 特任助教 (30822548)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 歯周病 / 糖尿病 / レーザー / low-level laser therapy / LLLT / 骨芽細胞 / 骨代謝 |
研究開始時の研究の概要 |
近年歯周病と糖尿病の相互関係が数多く報告されており、糖尿病患者に対するより安全な歯周病治療が求められている。我々は低出力レーザー照射(low-level laser therapy: LLLT)が創傷治癒や骨形成を促進することに着目し、LLLTを糖尿病患者の外科的処置へ応用することを着想した。 本研究では、まずin vitroにて高血糖状態における骨芽細胞へLLLTが与える効果を検討した後、糖尿病モデルラットの抜歯窩へLLLTを行い、高血糖下でのLLLTが骨代謝に与える効果を解明する。 本研究により、糖尿病患者における歯科治療の新たな補助療法の開発への寄与を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究の目的はlow-level laser therapy (LLLT)を糖尿病患者における歯科治療に応用することである。そのためにまず本研究では、糖尿病が口腔内に与える影響をin vitroおよびin vivoで検討した。歯周組織の細胞を用いた研究より、高血糖状態は細胞増殖や分化などに抑制的に働くことが示された。糖尿病モデル動物を用いた実験からは、糖尿病は口腔粘膜の創傷治癒を遅延させ、インプラントのオッセオインテグレーションを阻害することが示された。また、LLLTの歯周治療への効果について、システマティックレビューおよびメタ分析を行い、LLLTは歯周治療に伴う疼痛を抑制することを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究から、糖尿病による高血糖状態により誘導された酸化ストレスがインプラント治療時の歯槽骨への結合を阻害する可能性が示唆された。このことは糖尿病患者におけるインプラント治療の予後の改善策の開発へつながる可能性がある。その改善策の一つとして、今後LLLTの可能性を検討していく予定である。また、過去の研究のシステマティックレビューを行い、歯周外科治療の際にLLLTを併用することで疼痛を軽減させることが示された。このことはLLLTが歯周外科治療における患者のストレス軽減に大きく寄与することを示唆する内容であり、さらなる臨床応用の広がりが待たれる。
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