研究課題/領域番号 |
19K21429
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補助金の研究課題番号 |
18H06346 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
吉田 玉美 京都府立医科大学, 医学部, 客員講師 (30826087)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 関節リウマチ / 心理・認知行動療法 / 破局的思考 / 疼痛 / 臨床的寛解 / 心理的介入 |
研究開始時の研究の概要 |
関節リウマチ患者の中には、関節の炎症がない状態に達成しても疼痛が残存する患者が一定数いることが知られている。慢性疼痛をもつ者には痛みに対する歪んだ認知である破局的思考をもつことがあり、疼痛を助長させる場合がある。しかし、関節リウマチ患者において心因的な要素が疼痛改善を妨げていることを示す明確なエビデンスが不足している。本研究の目的は、関節リウマチの疼痛管理における心理的介入の潜在的な可能性を検討することである。
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研究成果の概要 |
本研究は関節リウマチ患者における「破局的思考と寛解の関係」、「寛解後の疼痛(残存痛)と破局的思考との関係」を分析しました。 関節リウマチ患者全体の26%に破局的思考がみられました。全身性炎症がないにもかかわらず寛解に達成できていない患者群は、破局的思考を持つ割合が34%と高く、その思考のために疾患活動性評価指標に含まれる患者主観的評価の数値を上昇させていました。そのことによって疾患活動性指標数値が高くなっており、寛解達成を阻んでいることがわかりました。さらに、寛解達成後の残存痛は破局的思考と関連が強いという結果がでました。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で明らかになった「CRPレベルが正常な非寛解患者の約34%の疾患活動性は、破局的思考(心因的要因)に起因した患者主観的評価の上昇により過大評価されている可能性がある」、「腫脹関節・圧痛関節・CRPレベルが正常化したにもかかわらず残存する疼痛強度と破局的思考には正相関があった」、この2点の結果は、痛みの改善に対する心理・認知行動療法が有効である可能性が高い患者像を明確にしたと言える。寛解率のさらなる向上とともに、残存痛への対応というアンメットニーズに貢献すると考える。
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