研究課題/領域番号 |
19K21443
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補助金の研究課題番号 |
18H06360 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所 |
研究代表者 |
紀 雅美 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所, 衛生化学部, 主幹研究員 (10332438)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | カビ / カビ毒 / トリコテセン / 食品 / タンデム質量分析計 / 飛行時間型質量分析計 / ノンターゲット分析 / 餅 / 健康危害 / 液体クロマトグラフィータンデム質量分析計 / LC-TOF-MS / LC-MS/MS / LC-QTOF-MS |
研究開始時の研究の概要 |
日本では製造から流通・販売まで食品の衛生管理が行き届いているが、購入後の食品の管理は個人に委ねられている。そのため保存状態によってはカビが生えることがある。カビの中にはヒトに対して有害なカビ毒を産生するものも含まれることが示唆されているが、実際、カビで汚染した食品におけるカビ毒に関する報告事例は少ない。 そこで、カビで汚染した食品におけるカビ毒の実態について、LC-TOF-MSとよばれる網羅的に多くの化合物を測定が可能な機器を用いて調査し、保存状態によるカビ毒の経時変化について明らかにし、食品の保存期間や状態がカビ毒の摂取量に与える影響について解明する。
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研究成果の概要 |
食品の保存期間や状態がカビ毒の摂取量に影響を与えるのかを解明するために、小麦粉、雑穀、切り餅を常温・冷蔵・冷凍の3条件で保存し、18種類のカビ毒を定量的または定性的に検出した。11カ月間保管した小麦粉および雑穀では、カビ毒量に変化は認められなかった。切り餅は個包装から取り出して2、3、4週間と保存し、切り餅表面のカビ毒について調査した。常温保管の一部からステリグマトシスチンが検出されたが、経時的な変化は認められなかった。切り餅の抽出物についてはさらに網羅的な分析を行い、ラブラリー検索により3種類のカビ毒と相同性が確認された。食品の種類および保存状態によってはカビ毒が産生することが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
購入後の食品の保存は個人に委ねられている。小麦粉や雑穀のように元々カビ毒が含まれるような食品でも、水分が少ない食品については常温で保管してもカビ毒が増加する可能性は低いと考えられた。一方で、カビが生えやすい食品である切り餅については、保管の仕方次第ではカビ毒が産生され、その食品を摂取することによりカビ毒を摂取する恐れがあることを示すことできた。個包装のまま常温保存した切り餅は目視でカビの発生は認められず、またカビ毒も検出されなかったことから、食品の自宅での保存は適切に行う必要があることが改めて示された。
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