研究課題/領域番号 |
19K21452
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補助金の研究課題番号 |
18H06371 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
長瀬 亜岐 大阪大学, 連合小児発達学研究科, 寄附講座助教 (90381780)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2018年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | レビー小体型認知症 / 口腔セネストパチー / 身体表現性障害 / 摂食嚥下障害 / 口腔内セネストパチー |
研究開始時の研究の概要 |
レビー小体型認知症は、症状や経過については十分に解明されていなく、体感異常や不定愁訴によって心気症や身体表現性障害と診断されることも少なくない。特に「口から糸がでてくる」といった身体表現性障害のひとつである口腔内セネストパチーでは、器質的な問題はなくても歯科で不要な抜歯を受け、食事摂取が困難になるケースを目にすることが多い。身体表現性障害はDLBの前駆症状ではないかという報告もあるが、未だ実態は明らかにはなっていない。 本研究の目的は、DLBにおいて摂食・嚥下障害に影響する口腔セネストパチーの実態を明らかにし、ケア方法の確立にむけた示唆を得ることである。
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研究成果の概要 |
本研究はレビー小体型認知症高齢者における口腔セネストパチーの実態について調査した.口腔セネストパチーの治療において精神科医は抗精神病薬による薬物治療により錐体外路症状が出現したときにDLBを疑っていた.歯科医は治療困難時には大学病院に紹介するという方法で対応していた.口腔セネストパチーの治療においては,症例ごとに治療効果のある薬剤が違い,その理由として背景にある精神症状(うつ、不安、認知機能障害)に対して効果があった可能性が考えられた.口腔セネストパチーは精神科と歯科がより密な連携によって,口腔セネストパチーの背景にある精神症状(認知機能障害も含む)の専門的評価の必要性が示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は歯科や精神科の枠ではなく、看護の視点で治療について検討した.高齢患者にとって口腔の問題は食べる楽しみを消失させてしまい、体重減少、栄養不良につながる.したがって少しでも苦痛を軽減するためにできることは何かをみたときに、歯科だけで口腔セネストパチーを診療することは治療法が確立していないため困難である.歯科と精神科との協働の必要性が示唆され、精神科ではより細やかな生活史ならびに症候を精神病理学的に読み解くことの必要性が示唆された.
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