研究課題/領域番号 |
19K21485
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補助金の研究課題番号 |
18H06406 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 科学警察研究所 |
研究代表者 |
岸本 麻衣 科学警察研究所, 法科学第一部, 研究員 (20822068)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 皮膚常在ウイルス叢 / 個人識別 / メタゲノム解析 / 次世代シークエンサー / 常在ウイルス叢 / ヒト常在ウイルス叢 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、次世代シークエンサーを用いて網羅的なヒト常在ウイルス叢解析により個人識別法を開発することを目的とする。特に皮膚スワブを中心にWhole genome Shotgun Sequence法でウイルス叢を調べ、同一被験者に由来する試料か否かを正確に識別可能な解析方法を検討する。細菌を対象とするよりも、配列多様性が大きくかつ遺伝子長が短いウイルスを対象にすることで、より容易に精度の高い個人識別を行える可能性がある。常在ウイルス叢のメタゲノム解析による個人識別の試みは本研究が初めてであり、現在のDNA型鑑定に十分な質・量のヒトDNAが得られない資料の個人識別に役立つ可能性がある。
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研究成果の概要 |
本研究は、網羅的なヒト常在ウイルス叢解析による個人識別法の開発を目的とし、健常被験者から採取した計48検体の皮膚スワブについて、ウイルス叢解析を実施した。その結果、合計78科247属のウイルスが検出された。特にPapilomaviridae、Herpesviridae等のヒト皮膚組織に感染しうるウイルス科由来のリードは、全検体から多様な属のバリエーションで検出された。また、一本鎖DNAウイルスである、Anelloviridae、Parvoviridaeも90%以上のサンプルから検出された。今後このような、ユニバーサルに検出されるウイルス科に着目し、精度の高い個人識別を目指す。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、次世代シークエンサーを用いた細菌・ウイルスを含む網羅的なヒト常在微生物叢解析による個人識別法に関する基礎的検討を行うものである。このような網羅的な常在微生物叢のメタゲノム解析による個人識別により、現在のDNA型鑑定に十分な質・量のヒトDNAが得られない資料の個人識別に役立つ可能性がある。これまでヒト皮膚常在ウイルス叢研究は、二本鎖DNAウイルスのみを対象としたものに限られていたが、今回初めてDNAおよびRNAウイルスを包括したヒト皮膚常在ウイルス叢を明らかにした。その結果、多くのヒト皮膚検体から安定して検出されるウイルス種が明らかになり、個人識別の指標となる可能性が示唆された。
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