研究課題/領域番号 |
19K21487
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補助金の研究課題番号 |
18H06408 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所 |
研究代表者 |
山崎 朋美 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所, 衛生化学部, 研究員 (30827275)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | サンドイッチELISA / モノクローナル抗体 / イムノセンサ / 表面プラズモン共鳴 / 特定原材料 / 食品認証 / 食品表示 / ハラール / ELISA / ミオグロビン / 豚肉 / イムノセンサー / 食肉 / 肉種鑑別 / 食物アレルギー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、加工食品において混合使用される機会が多い食肉に着目し、牛肉、豚肉および鶏肉を識別する各モノクローナル抗体を活用し、これらを同時に識別定量できる新規イムノセンサーを開発する。 食物アレルギーの原因食品の混入や誤食による事故を防ぐため、ELISA による検査が普及しているが、複数の原因食品を同時に識別定量(いわゆる一斉分析)することは難しく、それが可能な検査法の開発が望まれる。 本研究により、一斉分析法の開発における基礎的情報を提供できる。また、加工食品に含まれる食肉種の識別定量は、宗教や信条による食品選別の要求においても、役立つと考えられる。
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研究成果の概要 |
牛、豚及び鶏ミオグロビン(Mb)にそれぞれ異なる反応性を示すモノクローナル抗体が得られた。得られた抗体を用いて、既存の測定法と比べより実用的な豚肉測定法となるサンドイッチELISAを構築した。本ELISAは、牛Mb、鶏Mb、羊肉、ヤギ肉と交差反応せず、豚Mbを定量的に測定でき、牛肉に添加した1%(w/w)の豚肉を検出できた。また、豚肉添加後に加熱調理した場合でも同様の感度で豚肉を検出できた。さらに、得られた抗体および市販の抗体を表面プラズモン共鳴(SPR)測定装置に適用、条件検討し、SPRイムノセンサを構築した。本イムノセンサは、牛肉、豚肉及び鶏肉を同時に定量可能であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来、食肉偽装対策や原材料表示を監視するために食品中の豚肉量を測定するイムノアッセイがいくつか開発されているが、食品の調理・加工によるタンパク質の変性や抽出効率の低下の影響を受けるため、正確な測定が困難だった。本研究で構築したELISAはこの問題を克服し、生肉及び加熱調理肉中の豚肉を正確に定量でき、食肉製品の認証や誤表示の防止への利用が期待できる。さらにイムノセンサ構築を含め得られた成果は、食肉の分析に限らず、他のアレルギー原因食品の分析にも応用可能である。将来的に特定原材料の一斉分析法開発への道を拓くと共に、食肉に関する宗教や信条により課せられる食品選別法の開発に役立つ知見を提供できる。
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